『First flee』(PARANOiA)

気が付いたら始まっていた

後ろから迫る足音
前方のみに開ける道
左右上下は閉ざされた
異様な空間での

負けたらインカム21g
No Continueの逃亡劇

景色が変わらない
足場の段差の変化が
進んでいることの証拠

当たり前のように
警鐘は定められた間隔で
鳴り響く

変わらない風景・状況
廻っているのかもしれない
疑い始めた時

高鳴るEMERGENCYコール
視界を満たす光

勢いをつけてその中に

飛込んだ


『執』(PARANOiA MAX DIRTY mix)

自分にとっては
意味のない幻想
それが自分を追い詰める

逃げろ
にげろ
ニゲロ

逃げ続けろ!

頭の中で鳴る警鐘
なおも響く足音
群れて形を成さぬ整然

角の先は全て行き止まり
一本道のプレイタグ

選択肢は二つ
片方は地獄への片道切符
片方は闇の中の綱渡り

手前に見えた二輪
錆び付いた鎖を壊し跨る
フルスロットルの逃走

閉まり行くゲート
滑り込み
回る赫ランプを見上げ

幻想に憑かれた者達の声を
二つの爆音で消し去る


『Exit Faker』(PARANOiA KECT〜clean mix〜)

出口近し蜃気楼
塗り潰された板

ドアを掴み
引き抜いた先に
続くものは変わらぬ風景

楽な出口は大概
続く苦難への扉と化す
気付いた者は先へと進み

足音は
警鐘は
依然と急かし続け

一面的な構図
動かし続け
動き続け

続け
続け
始点に戻り

伏せがちの顔を上げ
目に映るものは


先に見える光は
何者にも誤魔化せない
真なる出口


『Escaping frOm Underground』(PARANOiA EVOLUTION)

追われ続ける
地下を

パルプ式残響が
足音を歪め広げ
街宣行為

耳を壊すかのように
警鐘が
音階を乱して

過去の亡霊は
取り殺そうと
気を削ぐ声を吐きかける

足を速めなければ
生き残れない

行き止まりに堕ちる光
天井に円形
目の前に鉄梯

追われるままに登り続け
抜け出して走る
断片的に響いていたものは―――!


爆音と共に
背後は





『Faithless Heaven』(PARANOiA Rebirth)

この世界に
治外法権など無い

この世界に
裟婆と変わらぬ場所はない

雲の中を
必要以上の速さで走り
必要以上の警鐘に追われ

装着音に一瞬振り向く

禁止武器のオンパレードに確信

この世界に
天使などいない

発射音の直前
俺は雲の端から飛び下りた


『Madness Wilderness』(PARANOiA ETERNAL)

目につく障害は
奇妙に螺じくれ
繋ぎ合わさったもの

曲がりくねりうねる
先の見えぬ道を
両手両足を使い走る

知性を消し去る反響
本能が突き動かす警鐘
どこへ向かうのか

理無き肉体は
本能にのみ従い
全てを獣に還元する

目的の支配する野生
心には只一つ

『ニゲロ!光ノ差ス方ヘ!』


『No soul enemy』(PARANOiA survivor)

息切れする早さ
形が最早
原型を留めぬ相手

命がけの逃走劇
終る毎に
足を速める相手

警鐘すらかすれ
本来の意味を失い
ただ歪んだ音をわめかせ

敵も自分も
意思の介在する余地など無い
続くRun or Die

足元を照らす光が
天の光と混じり合い――!


『偏執の果てに』(PARANOIA survivor MAX)

ひたすら逃げ続け
ひたすら追い続け

心拍の限界を
越えた勢いで
足が壊れるほどに

そこに何ら
温もりは存在しない
そこに幾分かの
感情が入る余地すらない

けたたましく鳴り響く
警鐘
初期と変わらぬ戦慄

偏執
意思を得た者
誰もが持つ衝動

されど本質は
生物に普遍的な本能

'生き抜いてみせろ'

振り替える間などない
走り続けてみせろ


『騒音マリオネット』(Fascination MAXX)

突き抜ける衝動
打撃

舞踏などと生易しい言葉は
似つかわしくない世界

定リズムの付飾音符
腐食無き無機質

転換

中空に浮かぶ星
乱れ乱されつも青繚

歪んだワルツの先に待つ

静寂
そして

(空白)

機関銃の醜響

同時多発争乱
誰も止められない
止まってはならない

ああ我等は
逃れえぬ

盤上のマリオネット

美しく踊りえぬ
騒音マリオネット


『no exi(s)t(ance)』(Fascination MAXX〜eternal love mix〜)

電話
出なければならないのだろう
捻じ曲げた挨拶
耳障りなはずのノイズ
なのに

私は
既に
あはは

魅せられて
拒絶など

音信不通
不気味な笑み
繋がらない恐怖
ツナガル恐怖

幾度と襲い掛かる衝撃
光の速さで流されていく

意識
自我

私は
わたしは
ワタシハ

電話を置く
あぁ
繰り返し

逃れえぬ
蜘蛛の糸


『零距離射撃』(MAX300)

【開始は何時でも突然に】

乾いた音
巻き上がる砂利

壁に隠れながら
互いに隙を窺う

岩陰は弾け
岩壁を弾き

土煙と硝煙は
協奏曲を奏でる

【別の気配】

当たり馴れぬ殺気
打ちながら相手の背中を見る

黒服の群れ
素人の群れ
二人に恨みを持つ者達

【互いに笑みを浮かべ】

交差

【止まる時、そして】

跳弾
銃撃
互いに一つも当たらず
周りの的共に当たる

散弾銃は意味がない
狙いは外れるもの

機関銃の音は
我無き者共への弔歌

単発銃声が響く静寂の中
互いに狙う
零距離射撃

銃口は着く
互いの額に


『渓谷』(Healing Vision)

燦々と流れる川

覆う影は鵬

橙後の青は
光の粒子となり
万物を浄化する

大地は
ゆったりと激しく
脈を刻む

静寂よ

願わくば
永遠に保たれんことを

俗世の喧騒に
巻き込まれることなく

永遠に保たれんことを


『絶』(Healing Vision〜Angelic mix〜)

断続するA
悲鳴にも似た脈動

命溢れる風景
それは過去か幻影か

明日の命を望もうと
必死で繋ぐ糸

解れてはより合わせ
千切れては縛りつけ



途切れぬA
フェルマータは時として
ヴァルトートを意味する

神は許しはしなかったのか






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