『Perfectworld』

淫魔(サキュバス)の甘い誘いに
のる日は永遠(とわ)に来ない
愛情は
何かに還元できやしない

静寂(サイレント)な街灯の下
二人向かえたオルガズム
濡れたのは
君の瞳だけじゃない

耽美な薔薇の芳香
飾るゴシックモノトーン
辺りに響く物音
………ラフをしないよう、キツくキツく抱き締めた

二人だけの閉ざされた世界
廻る星の
明滅は神の祝福
十字架を胸に
永遠の時をこのまま過ごそう
………そしていつかは


『絵空評』

怠惰に埋もれた妄想現象
最果の地にて討論会
'最大多数の最大幸福'
所詮真似事の空想論

エセと偽の間(ま)の相対乖離は
実質無視した三文評
人の西、人が直る筈なく
皆無と告げられ大暴走

凪いだ空の下
動かざる雲
散りて消え逝く定め
我が身此処に在り

刹那に響く衝動は
月下に強いる闘争か
マルクス主義者の幻聴に
何の価値見い出すべきだろう?

張り上げた声、振り上げた腕
強調口調の信憑性は
強調具合いと反比例
音の集いは絵空評

サイケで満たした天性人語
極彩色の博覧会
'絶対普遍の平等摂理'
笑える理想の空想論

零と壱の間(ま)の絶対障壁
打ち破るための詭弁評
糸に色付け、文を寸止め
束の間の内に大崩壊

風を切る鳥の
羽根はらひらり
総て流さるる定め
我が身此処に在り

圧倒多数の暴論は
八方寡数の状況か
帝国主義者の幻想に
誰が手を貸すべきだろう?

張り上げた声、振り上げた腕
強調口調の信憑性は
強調具合いと反比例
人の集いも絵空評

ノスタル浸した前提条件
エゴとエゴの中口論会
'天上天下の偶像崇拝'
畢竟他者への干渉論

石火で響く咆哮は
劣化し滲む動向か
回顧主義者(レトロスペクト)の戯言に
誰が耳を貸すべきだろう?

感情多数の討論は
惨状多数の拷問か
虚無主義者(ニヒリスト)共の譫言に
誰が従うべきだろう?

張り上げた声、振り上げた腕
強調口調の信憑性は
強調具合いと反比例
音の集いは絵空評
人の集いも絵空評


『スピカ』

Starly 虹色の幻想を手元に
Smiley 白みゆく空を駆け抜け

永遠に続く チャチなプライドから来る痛みは
左隣 先の先見つめて 突き抜ける Conflict Zone

「あの空まで、飛び立て!My friends!!」
握り締めた 自らのfuture 突き動かすMy fate

雲超えた地に在るスピカ
アンタレスを遥か越えて
月の子らに課された使命
ほらア・ナ・タ・ナ・ラ果たせるから
メビウスの輪は いつか途切れて 明日に繋がってく………

Flyby 腕と手の先の距離が
Fancy 今はどうしても遠い

共にいる ただそれだけでいい時はもう過ぎたの
求め合い苦しみ合う それが人の愛のConception

「涙なんて、似合わないよ!My friends!!」
抱き留めた ままの今とはBye-bye 動き出すMy fate

雲超えた地に在るスピカ
白鳥座の遥か先に
僕等が求めていたもの
ほらナ・カ・ナ・イ・デ見付けるから
ゼロの字三つ 横に並んで 明日が始まる

明かりを消して 横になったら 空が近くにあるような気がした
果てしなく遠い未来も 今 過去の砂として流れていく………

「空へ延びる 道は果てしないけれど………」

道標は 一つだけのMy life
光が続くと信じたいMy fate

雲の果てに見えたスピカ
箱庭に集う蛍火
月の子らに課された使命
さあソ・ノ・手で果たすのさ
光になれず堕ちたルシファー
闇の中凍えるシリウス
ポラリスの遥か向こうの約束の地へ…………


『Cheapest』(未完成)

風吹く度足をすくませ立ち止まる君に
背を向け走り出す僕は何を裏切ったのだろう
いつの間に仕切られた死線上に立つのが嫌で
知らず意識せずただ逃げ続けていただけだけど

零が二つ、山に詰まれた無価値のプラスチックは
皺枯れた老爺の如くねばついて語りかける
掴んでしまえば全て楽になれるって
戯言はよせよ、ただ意識無くなるだけだろ

何も掴めない
手を出さないから
何も抱けない
逃げ出してきた
報いなどはない
何も得ないから
Show me and laugh at me.
'What a cheap man you're'
価値なんて無いから…………


『Run away』

見えないものがどうしても
見えなかった僕は
とれないものを
呆れられながらも
追い掛けたんだ

慣れた自己防衛
こじつけて正当化
描くための脚色は
いつもこんなものだろう?

何回転んでも
起き上がれば気付く
360゜地面は
全て君のものだから

走り去れ!
走り去れ!
二酸化炭素という名の
排気ガスを巻き散らして
走り去れ!
走り去れ!
涙の理由など
知らなくていい!


『11/30』

赤コーンの群れが
響かせる重低音
削られ剥がされた黒き地

霞んで見えぬオリオン
アンタレスの影もない
吐く息ばかり白さを増す

指先一つ
通じ合えるつもりで
積み上げたものは
ショベルカーに壊されてく

電車越しに読唇術
曇りガラスに阻まれる
指先で綴る文字は
いつも逆さま


『balloon-like people』

取り違えた虚像
忠実な仏頂面
角張った空間
飽和された堕落精神
良識の入る欠片もない

抜け落ちた想像
金太郎飴の合同
建前と本音
豚は夢の紙を食いあさる
何を守るつもりだ?

何も伝えない
何も伝えさせない
報道規制
それは必然事項
釘を打ち据え
鉄格子張り巡らし
触れたもの全て
傷付け捕えるのか!?

balloon-like people
何も考えちゃいない
自己に捕われた
首可変(すげかえ)可能なマリオネット
balloon-like people
針を差し通し
飛ばしてしまえ
中に何も無いのなら!

巻き起こる罵声に
あくまでも仏頂面
硫黄臭の香る
アルファベットの羅列ばかり
それが本音なら許せない

何も知らない
何も知らされない
秘密厳守
これも必然事項
闇色の壁
囲いし中に在るのは
ハリボテだらけの
模造品だけだろうさ!

balloon-like people
打撃などは効かない
聴覚のない
防衛主義のマリオネット
balloon-like people
針を突き通し
晒した中身は
見れた物じゃないだろう!

balloon-like people
何も考えちゃいない
自己に捕われた
ただ求めるだけのマリオネット
balloon-like people
針を差し通し
張り飛ばしてしまえ
業を償うなら!


『鈴雪を願う日に』

仄かに白く明るい夜の日は
雪が舞い降りそうな気がして
手を差し出してみた

『白くないのにね』
目に見えない息のことかな?
それは分かってる

厚着で汗ばむ
背中感じては
待ち遠しくももどかしく

ティンカーベルは夜中過ぎ
ウェンディを誘って
永遠の国へと
身を踊らすのだろうけど

1/60分を
日々生きる僕等は
指先で溶ける
束の間の夢
今日も追い掛けて



【目次】【TOP】