「A.O.L.エアライン1582へようこそ!当機は9:00羽山空港発、現地時間10:00に鍋山に到着いたします。間もなく離陸いたしますので、シートベルトをしっかりとご着用お願いします♪」
研修から何度も口にし、体に染み込んだ言葉を乗客に笑顔で話しながら、私――御津八重は頭の中で今後の展開を確認していた。
マニュアルの基本事項、安全確認及び身嗜みはOK。
園児くらいの子供のお客様には、機内限定の飴をプレゼント。
具合が悪くなったお客様には容態確認と応急処置を。
お客様が不安に思わない程度の頻度で見回りを行って、ファーストクラスにはコーヒーサービス。
他にも臨機応変に対応……よし、確認終了。
「それでは、快適な空の旅をお楽しみ下さい♪」
笑顔で一礼すると、私も一度座席に戻り、シートベルトを締めた。安全のため、自分の身のためだ。
しばらくも掛からないうちに、出発したことを告げる前Gがかかる。全身でそれを感じつつ、私はこの後のフライトの予定も頭に入れていた。
何せ、今日は上司との面談が予定されているのだ。何時までにこれを終わらせて、と時間を考える必要がある。要領の良さは仕事には必須なのだ。



『御津さん、今回の会議で決定したことを伝えるわね。
社員教育の一環として、上司との面談が行われることになったわ。当然、私達CAも例外じゃないの。
急で悪いけど、部長に今後空いている日時を伝えてくれない?』
数日前、会社PCに届いていた一通のメールに、私はこれから会うことになる上司の顔と名前を思い出していた。
上司の名前は八条桜。
私が入社する前から会社のCAを仕切ってきた、言わばベテラン中のベテランだ。職務上では色々と厳しいことも言うけれど、飲み会とかのオフの場では気さくに話していたりする。後輩社員や上司との折衝や相談役も務めていたりすることが多い人だ。
年齢は分からないけど、私達より相当上だって言っている。その割に顔の皺も体の弛みも全く見られない。そして切れ長の瞳が、普段の元気さもあって凛としていて格好いい。ただのクールビューティで終わらない人。
そのせい……って表現も変かな。彼女を慕っているCAは多い。中には恋心のようなものを抱いてる人もいたりして……旦那さん居るのに……。
かく言う私にも、偶然名字が一緒だった旦那様がいたりして。お互いの職業柄、休日くらいしか一緒になれるときはないのが残念だけど、結婚して三年、適度に落ち着きつつも今でもラブラブやっている。
話がずれた。
兎に角、上司としても、人間的にも、本当に魅力的な人なのだ。好かれようとしているわけでもなくて、本当に、ただその場にいるだけで人を引き付け、元気づける。
それに、八条さんの面談を受けた同僚は、その翌日から、もう元気一杯、疲れ知らずに働くようになって、それでいて笑顔を絶やすことが無いのだ。彼女達に、どんな事を言われたのか聞いても、ただ『何事にも全力を出せば、自分にとって素晴らしい人生を送れる』としか返ってこなかったけど、きっとそれだけではないのだろう。
だって、働いているときのみんな、凄く生き生きしていたから……。



「こんにちは。この忙しい中、よく来てくれたわね。有り難う」
社の一室――小規模な会議室――のドアを開くと、そこには桜先輩が奥側にある座席に座り、書類を整然と整理していた。どうやら、私が来るまでの間、自分の仕事を片付けてしまっていたらしい。
「予定としては三十分弱なんだけど……御津さん、貴女はこの後の予定は何か入っているかしら?」
「?いえ、特に何もありません。私の業務は17:00羽山着のフライトで終了しましたし、先輩の面談があるので後は開けておいた方がいいと、同僚の仲峰が私に言っておりましたので」
『割と長引いたりする事があるから、後の予定が空いている日がいいよ』
そう仲峰さんは私にメールで伝えてきた。確かに彼女が面談に行った時、割と戻ってきたのは遅かった記憶がある。何を話していたんだろうか気になったけど、そのとき私は優先すべき仕事が溜まっていたから、それの解消に追われていて聞けなかったんだよね……。
確かに、桜先輩は話が長くなってしまう事が多い。特に酔ったときなんかそれが顕著だ。話の中に自分で入り込んでしまう癖があるのかもしれない。
「あらあら、あの娘そんな事言ってたの?割とって言っても、そこまで長引くわけじゃないわ。精々……そうね、十分強ほどかしら。勿論、面談の娘ががこの後予定があるなら考慮するわよ。
……とは言っても、貴女は考慮する必要はないみたいね」
何も言わなければ長引くことは確からしい。実際、長引いても問題ないようにはしているけどね。
桜先輩はそのまま立ち上がると、部屋の隅にあるポットからコップを二つ取り出して、ポットの上の棚から何かの瓶を取り出すと……中身をスプーンで掻きだしてコップの中に入れた。
そのままお湯を入れてかき混ぜる桜先輩。ガラスがコップに触れて鳴る音が軽快だ。最後に、食卓レモンを二滴ほど差して、さらに二三回かき混ぜる。桜先輩による蜂蜜レモンが、完成した。
「はい、どうぞ。疲れに効くわよ」
ことん、と私の座席の前に置かれるコップからは、ふわりと甘くどこか芳しい香りが立ち上る。ほかほかと湯気を立てるその液体は、私の心にちょっとした安心感を伝えていく。
確か、蜂蜜の成分は人間の疲れにかなり効果があったはず……と、昔の生物の知識を思い出しながら、頂いた蜂蜜レモンを有り難う御座います、と一声、一口頂いた。
……何というか、蜂蜜ってこんな味だったっけ?と思える味だった。いや、不味いと言うものじゃなくて、寧ろ……甘くて、深くて、美味しい……。それだけじゃなくて、体に、力が湧いてくるような……そんな感じがした。一口だけ口にしただけなのに。
やや戸惑っているようにも見られるだろう私の様子に、桜先輩はただ柔和な笑みを浮かべつつ、自分で淹れた蜂蜜レモンを口にした。
先輩もこんな表情するんだ……意外。仕事では割とクールビューティの雰囲気を漂わせているからね……。



面談内容は、最近の仕事状況、業績、別部署への希望はあるかといった、在り来たりなことだった。上司と面談する以上は、当然聞かれるであろう事ばかり。
とはいえ、聞き方はすごく丁寧だ。資料の正誤も含めて私の仕事を確認しつつ、その客からのレスポンスもちゃんと伝えてくれる。
先輩の話によると、どうやら私の評判は上々のようだ。対応が丁寧、気配りが上手いと言う声が多いらしい。心掛けてきた事が、お客様に伝わっていたことが嬉しくて、私は思わず頬を綻ばせる。
けど、そこで終わらないのが桜先輩だった。
「……ところで御津さん。貴女は最近、ちゃんと休息はとっているかしら?」
「……はい?」
まさか、休息時間について聞かれるとは。返答し損ねた私の前で、桜先輩は次々と資料を示し、私の就業時間についていろいろと疑問点を述べている。
「少なくともこの一週間の貴女の就業時間と現場での働きぶりを確認するとね、そのうち体が壊れるんじゃないかって、心配になるわ。機内での休憩分を差し引いても、現場の働きぶりからしたら、明らかに休んでいる時間が足りていないわよ?」
心の底から心配そうな声で、桜先輩は机に身を乗り出しつつ言った。確かに前からハードワークなきらいはあるらしいとは言われていたけど、まさか先輩の口からそれが出るとは。
でも、実際のところ私はそこまで疲れを感じているわけでもなかったりする。流石に初めのうちはキツかったりもしたけれど、最近は慣れた。それに……私は、常に言い聞かせていることがある。
「お客様に対し、心から最上のサービスを提供すること、そのために心と身を砕くこと、それがCAとしてあるべき姿だと、私は――?」
私の強弁に、桜さんは人差し指一本を立てると、私の唇の前に置いた。そのままどこか悪戯しそうな笑みを浮かべると、私を見つめながら、凛とした声で告げた。
「ふふ、本当に頑張りやさんなのね。私もそんな娘は好きよ。
でもね、貴女の体は貴女のためだけのものじゃないのよ。貴女が倒れたら、その分を他のCAの娘に担当させることになるわ。当然、他の娘がその分苦労することになるの。
それにね……無理をして頑張っていたとしても、その疲れはお客様に伝わるわ。たとえどんなにベテランのCAでも、隠すことは出来はしないの。そしてそれはお客様にも苦しい思いをさせてしまうわ。
その辺り、ちゃんと心に刻んで欲しいわね」
……うう、言われてしまった。考えてみればそうだ。
確かに、端から見たら疲れは案外見えてしまうものだわ。お客様はその場で指摘こそはしないものの、不安を与えてしまうことは間違いない……。
今一度、自分がどんな状態なのかを考えなきゃね……。私はそう心に決め、桜先輩に対して一礼しようと、立ち上がって――。

「分かりました。肝に銘じておきま……」


ぐらり、と視界が歪む。椅子から立ち上がった私を襲ったのは、尋常じゃない体の重みと、三半規管が狂ったような異様な気持ち悪さだった。
全身に力が入らず、地面に倒れ込みそうになる私を、桜先輩は抱き抱えた。
「……あぁほら!疲れって言うのは蓄積されたものがどっと現れるものなんだから……」
そのまま、私は先輩の手で部屋にあるソファに運ばれていく。声すらぼやけて聞こえるような、異常な状況の中で、私の意識はまだ辛うじて残っていた。
朧気な視界、少し力を抜いたら黒に染まってしまいそうなそれは、細腕で私の全身を支え、ソファへと向かう桜先輩の心配そうな表情を捉えていた。
……あぁ、こんなに私は先輩を心配させて……。
知らぬ間に溜まっていた疲れに、私は恨み言の一つでも言いたくなるのと同時に、先輩に心配させていることを心苦しく思っていた。
早速、先輩が何を言わんとしていたかを身を持って体験している私は、そのまま朦朧としたまま、ソファの上に横たえられた。
「――……――……――」
先輩は何か私に言っているけれど、それが何なのかは、もう、私の頭では判断出来なくなっていた。ただ、どこか熱に浮かされたように先輩の顔を見つめながら、沈んでいく体に意識を委ねようとした――!?

……ぷす……っ……


「――!?」
な、何……?私の……足首辺りに……何かが、刺さっ、て……?

……びゅる……びゅるる……びゅぐんっ


「――ふ――ぁ――ぁあ――」
そこ、から……何かが……びゅるびゅるって……流し、込ま、れ、て……く……?
もどかしいような、痛いような、気持ち悪いような、気持ちいいような、ふわふわするような、ほかほかするような、そんな複雑で不思議な感覚が、私の中に広がって――!?

「……ん……」


さ……桜先輩、が……、私に……キス、を……?
「……」
……あ、れ……?せん、ぱ、いのし、た……あ、ま……い……。


……ぁ……だめ……きれ……。
くら……くら……しゅ……るぅ……。



――御津さんがその意識を落としたのを確認すると、私――八条桜は彼女の踝辺りに刺している針を、ゆっくり抜いた。
ずるり、と抜け出る針の在処は、私の尾てい骨から飛び出る、黄色と黒の縞々が特徴的な――巨大な蜂の腹部だ。スーツに開く幽かな隙間から外に出している。
「――御津さん……」
ぐったりと、ソファにもたれ掛かった御津さんの、身に着けている服を、私はゆっくりと、しかし確実に脱がしていく。時間はそこまでない。故に行動は確実に行わなければいけない。でないと、彼女の服が破けてしまうのだ。
いつものように服を脱がし、皺にならないように干してから、私は御津さんの様子を眺める。少しずつ、呼吸がゆっくりと、段々小さくなっていく。同時に、段々と彼女の体の内側に、熱が隠っていくのが分かる……。
暫くすると、彼女の皮膚の表面が、徐々に乾いていく。ぱり、ぱりと音を立てて、輪郭はそのままに蛹のようになっていくのだ。
色合いを変えていく彼女の肌を眺めながら、私は――。

「……ううん、八重ちゃん……♪」

――女王蜂として、愛情を持って、彼女の名前を呼んだのだった。



「んぁ……ぅぅ……ん……」
ふわふわするぅ……。
さっきまでよりも……からだがかるぅぃ……。
あったかぃ……。
ひたっていたぃ……。


けど……。
むずむずするぅ……。
むずむずするよぉ……。


……うごきたくない……。
……でも……。
……うごきたい……。

『動いても、いいのよ?』 pm ――はえ?この……こえ……は?

『貴女……八重ちゃんは、動くことが、ううん、働くことが好きなのよね?』

――はたらく……こと?


――うん!だいすき!
あのね!あのね!わたしがはたらくとね!みんながえがおになってくれるの!それがうれしいの!


『うふふ……♪頑張りやな娘は、私も大好きよ♪だって、元気な姿はみんなに元気を与えるじゃない♪
笑顔は、みんな元気から生まれてくるのよ♪』


――そうなんだ!
だったら、わたし、もっとがんばる!もっとげんきになる!


『あらあら……♪嬉しいわぁ……♪でもね、無理をしたらだめよ?
無理をしたらね、みんなにそれが伝わってね、笑顔じゃなくなっちゃうの』


――いや!えがおじゃなくなるのはいや!でもげんきよくなきゃえがおじゃない……げんきでいればえがお……でもげんきじゃずっといられない……そしたらえがおじゃ……。

『考え込まなくても良いのよ、八重ちゃん♪私が……みんなが笑顔になる方法を教えてあげるわ♪』


――!?
おしえて!みんながえがおになるほうほう、おしえて!おしえてくださいっっ!

『あらあら、慌てないで♪まずは深呼吸して……?ほら、すぅ〜……』

――すぅ〜……。

『はぁ〜……♪』

――はぁぁ〜……♪

『……落ち着いたかしら?』

――はい♪

『じゃあ、言うわよ……。

――好きな人に、思いっきり甘えなさい♪』

――すきな、ひとに、おもいっきり、あまえ……?


『そうよ♪
いつも元気な娘はね、そうやって相手から元気をもらっているのよ。みんなを元気に出来る人は、みんなから元気をもらえるのよ♪』

――うんっ!わたし!わたし!わたしすきなひとにおもいっきりあまえるっ!らぶらぶするっ!

『あらあら、そんなに張り切っちゃって……♪』

――えへへぇ……♪

『ふふふ……♪


そう、貴女は何事にも一生懸命な、働き蜂。
みんなに蜜を運び、笑顔を与える貴女に……女王蜂として、最初で最後の命令をするわ』

――?なんですかぁ……?

『ふふ……貴女の一番大切な人と、今度の休日に私の部屋に来てくれないかしら?』

――……はい♪……ふぁあああああっ♪♪

『うふふ……♪ありがとうね♪』

――ふぁああっ♪ひぅ♪ひぁああああああああっ♪せ、せな、せなかがぁぁぁぁぁぁぁ、あ、あひゃああっ♪♪

『お礼に……とっても気持ち良くしながら、私の娘にしてあげるわ……♪』

――あゃぅ、ゃぅ、ぁゃ、ゃ、あああああああああああああああっ♪♪♪

『あらあら……♪素敵な羽が生えたわねぇ♪それに……♪』

――ひゃう、は、あ、あひゃああっ♪♪あふぁああああっ♪

『ふふ……どうかしら?新しく出来た、蜂のお腹の感覚は……♪』

――ふひゃあああっ♪♪びりびりぃっ♪びりびりってしますぅぅぅっ♪ふひゃあああああっ♪♪

『触覚まで生え揃ったわねぇ……♪素敵よ、八重ちゃん♪』

――ひゃあ、あ、ありが、と、ご、ございましゅううぅうううぅううぅっ♪♪じょ、じょお、じょおぉさまぁ、ぁ、ああ、ふあああぁぁぁっ……♪♪

『ふふふ……♪

これからは、親子としてもよろしくね……♪八重ちゃん♪』



……背中が……体が、何か窮屈だ。
体の気だるさはもうない。ただ、頭がちょっとぼんやりしていて、何かに包まれて、薄暗い何かの中で押しつぶされているような感じがするだけ……。
「……んんん〜っ!」
――伸びをしたら、背中の辺りでびりっ、と音がした。同時に息苦しさが薄れたような気がする。じゃあ、もっと伸びをすれば――!


「――んんんぁあああぁぁぁ……」


目の前の『蛹』の背中を破り現れたのは、御津さ――ううん、八重ちゃんだ。
蛹の中での変態は完全に終了して、すっかり働き蜂になっている彼女。背中からは一対の透き通った羽が、尾てい骨の辺りからはプックリ膨らんだ蜂の腹部が、それぞれ生えている。
顔の方に目を向けると、髪の毛の中から伸びている二本の触覚が何とも可愛らしい。首もとは蜜色のほわほわした毛に覆われていて、何とも柔らかくて温かそうだ。
彼女の手や胸、股間や脚を、黒光りする甲殻が覆っている。伸縮自在で、どんな刃も通ることはない優れものだ。
そして……左胸の、甲殻に覆われていない部分には、小さな、黒い蜂のタトゥーが刻まれている。これは私への忠誠の証……らしいけど、私は他の女王蜂のように君臨して支配する気はないの。だからね……私にとっては『親愛の証』かしらね。
「……気分はどうかしら?八重ちゃん?」
'生まれた'ばかりで視点の定まっていない彼女に、私はそっと呼びかけてみた。
「……?」
緩慢な動きで首をこちらの方に向ける八重ちゃんは、私の姿を視界に捉えると……ふにゃり、とした笑みを浮かべて……ふらり、と私の方に近寄ろうとしてきた……危ない。
「こらこら、まだ'体'が出来てそこまで経ってないんだから、無理しないこと。'変態'にも、体力は必要なのよ?」
倒れそうになった彼女を飛んで支えつつ、私は彼女に向けて諭したけど……まだ頭の方も完全には出来上がってはいないみたいで。
「……あはぁ……じょおうさまぁ……♪」
邪気の欠片もない笑顔に若干こめかみが痛くなりそうになった。
けど……質問の返答としては上々かしら。若子ちゃん(仲峰さん)なんて、そのまま暫く惚けたままだったし……。

「じょおうさまぁ……わたしぃ……しあわせですぅ……♪」


「……あら、本当?嬉しいわ……ありがとうね♪」
純粋な、心からの言葉に、私は愛しさのあまり八重ちゃんを胸の中に招き入れていた。そうすると八重ちゃんも返すように私の背中に腕を回してくる。
「わぷ……じょおうさまぁ……じょおうさまぁ……♪」
あらあら、すんすんと胸の香りなんか嗅いじゃって……。この娘に残業がなくて良かった。もしあったら……この状態の彼女を早退(名目のみ)させて、彼女の分の仕事を私がやらなければならないしね……。


ともあれ、こうして娘が無事一人増えたわけで。明日からのフライトは、きっとみんなの動きもより良くなるでしょうね♪
他の航空会社の蜂達にも負けてられないわ。みんなが気持ち良くフライトを楽しめるように、サービスやトラブル、嬉しかったことや仕事での悩みをみんなで共有しつつ――。

――元気な笑顔で、みんな……空を飛んでいこう♪


「……はぅぁ……じょおうさまぁ……♪」
……でもまずは、胸に顔を埋めたままの八重ちゃんが元の状態に戻るのを、仕事をしながら待ちますか……。



……その数日後、私はダーリンを連れて、女王さ……桜先輩の家に赴いたのだった。
そして私が蜂っ娘になったこと、女王……桜先輩と一緒にダーリンに明かした。ダーリンはちょっと驚いてたけど、女王様と一緒に『説明』して『らぶらぶちゅっちゅ』したら分かってくれた。

今……私達は毎夜らぶらぶちゅっちゅやってます♪

fin.



書庫へ戻る