……非常にボンヤリとした頭で、蒼崎青子は現在の状況を確認していた。
既に身を纏う服は無い。脱がされてしまったのだ。いつもの白シャツとジーンズも、先の事件の後で教職用に買ったローファーも、靴下も、下着やブラですら。青子の体を覆うのは、人が本来持っている組織である皮膚と髪の毛、そして青子の持つはち切れんばかりの魔力である。
だがその魔力も、'彼女'相手には通用しない。既に体の組成段階で、青子の魔力は吸収されてしまうよう形成しているのだ。それに皮膚も髪の毛も、得体の知れない粘液のようなもので濡れてしまっている。
加えて青子は今身動きが取れない状況にあった。両手両足は言わずもがな、下手をしたら腕や膝関節辺りまで、桃色の肉のようなものに飲み込まれている。それらは常に蠢き、彼女の表皮を舐め擽り、垢を取り吸収している。それこそ爪の隙間から、表皮の皴一本一本にまで潜り込んで舐め擽られている青子は、既に全身から抵抗の力が抜けていた。
「……はぁ……はぁ……」
時間の経過が、分からない。犯されて、疲れて、気絶して、犯されて、気持ち良くて、気絶して――かれこれそれが数えるのが億劫な程に続いている。
太陽を眺めようにも、視界一面に広がるのは、彼女の手足を包む桃色の肉壁。それはまるで赤子をあやすようにゆっくりと伸縮し、青子にその体を押し付けては離していく。その度に、肉壁と青子の間にはぬるぬるとした粘糸が伸びていく。
視界一面どころではない。青子は今……肉の牢獄に閉じ込められているのだ。それも、快感だけを与えられ続けて……。
「お・ま・た・せ♪」
正気でいる方が難しいこの空間に不釣り合いなほど元気の良い少女の声が、青子の耳に届いた。脳が音を刺激として捉え、そちらにゆっくりと顔を向けると、緑色の髪の毛にくりくりとした翡翠色の瞳を持つ、白のワンピースを着た少女が、どこか顔を赤らめながら立っているのが目に入った。
だが、青子は知っている。この少女こそが、現状を産み出した張本人であることを。それどころか、現在進行形で自分をなぶっているのも、この少女であることを――。
「……さ……やぁ……」
青子の、スープに浸けたパンのようにふやふやな声に、少女――沙耶はどこか悪戯な笑みを浮かべながら、少しはにかみつつ答えた。
「も〜ぅ、私のことはハニーって呼んでって言ったじゃん、ダーリン♪」
そのまま近付いてくる沙耶。浮かべる笑みは、外見相応の無邪気さよりも、どこか淫蕩さを感じさせる艶やかなものになっている。
自分でダーリンなどと言って恥ずかしくなったのか、彼女の顔に差す朱の割合が大きくなる。それに共鳴するかのように、肉壁から何本かの触手が湧き出て、青子の体を這い回り始めた。
「ひぅっ!いゃっ!あ、あや、やめ、やめ――ひゃあぅっ!」
人間の手では触れられないような、それゆえに敏感な部位として存在する場所を、触手は執拗に撫で擽っている。表皮より遥かに敏感なそれは、触手が何本か巻き付くと、さながら蕾が花開くようにくちゅぁ……と開くと彼女体に吸い付いていく。
「ふふふ……♪ダーリンは色んなところが敏感なんだね……♪」
肌触りを味わっているかのように、間延びした声で沙耶は語る。いや――現に沙耶は、触手で、それどころか肉壁全体で青子の体を味わっていた。
青子を包む肉。それはまさに沙耶によって産み出されたものであり、言わば沙耶の体も同然なのだ。細かい説明は割愛するが、つまりは青子の両手両足を包む肉も、青子を擽る触手も、辺りを満たす肉の牢獄も、そして目の前にいる少女も、全て同一の'沙耶'という存在なのである。
二人の馴れ初め……いや、出会いは本編を参照してもらった方が早いが、先の事件の主犯と共犯である二人は、事件収束後に、川名みさき達が通う学校に通うことになった。だが、事件によって親密度が上がり、尚且つサヤノカケラという子供的な存在が出来た(肉体は沙耶、精神を作ったのが青子)より、夫婦のような役割を担うようにもなったのである。……主に沙耶が、青子に対してダーリン等と呼ぶ辺り、沙耶が主に意識をしているようだが。
夏休み前、テストにおけるカケラの台詞に恐怖を覚えた青子が逃亡を図ろうとするも、突如湧き出た井戸魔神(沙耶の召喚獣)に捕まり、沙耶に連れ戻された――これが(青子が正常な判断が出来た)時の出来事である。
「ふふふ〜♪ダーリン、今日もキモチイイ事しよ〜♪」
すっかり甘えモードに入った沙耶は、ワンピースをも肉塊に変化させ、ありのままの姿に早変わりした。……決してシュマゴラスの方ではない。
「ひぅっ!あぁっ!やめんむぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」
依然として擽られたままの青子は、当然沙耶の動きに反応出来る筈もなく、彼女の唇は沙耶のそれによって塞がれてしまった。振りほどこうにも、両手両足は埋め込まれ、力を奪われた彼女はあまりにも無力……。
青子の口内を、沙耶の舌が踊る。唇の裏から歯茎、歯の表面から親知らず、歯の裏から青子の舌の筋までそれは這い回り、口内粘膜を沙耶色に染めていく。時折青子の舌に巻き付くと、まるで蛞蝓同士の愛撫のようにくにゅくにゅと舌に覆い被さっていく。
その間に、沙耶の両腕は触手に変化し、青子の背中を淫らに這い回りながら粘液を塗り込めていく。同時に、互いの体を引き寄せ、肌が密着するように抱き締めていく。
「んんっ!んんっっ!」
青子の口からやんわりと出された舌先を、沙耶は優しく噛み付けながら、猛烈な勢いで吸引していく。ガクガクと震える彼女の体を優しく受け止めるように、沙耶は彼女をぎゅっと抱き締めていた。続けられた愛撫も吸引も次第に激しくなっていき――!
「んん〜〜〜〜〜〜っ!」
盛大に体を震わせながら、青子は絶頂を迎えた。体格差の都合上沙耶の臀部の後ろにあった女陰が、真上に向けて潮を吹く。
「んん……ぷはぁ♪」
『ラブラブちゅっちゅっ』で青子が絶頂に達した事を今日も喜びながら、沙耶は青子の顔を赤らんだ顔で見つめる。
「……ぁっ……ぁっ……」
彼女の瞳に、明らかに靄がかかっていた。与え続けられていた快感が、彼女から思考を奪い取っていたのだ。
「ふふふ……可愛いね、ダーリン♪」
その沙耶の言葉すら、今の青子には意味すら理解できていなかった。だが、何と無く嬉しそうだということは理解できたのか、力の無い笑みだけは、彼女に向けて浮かべることは出来たのだった……。
――――――――――――――
呆けた顔を依然として向けている青子に、沙耶は悪戯心を起こしつつ次のステップに向かう。手をわきわきと動かしつつ、ラブラブちゅっちゅっ中も気になっていた部位を狙って腕を伸ばす。
「どうしてダーリンはこんなに胸があるんだろうね〜♪すごいな〜あこがれれちゃうな〜♪」
Fカップを誇る、青子の胸部の双球。それをやや羨ましそうに眺めながら、沙耶は優しく揉み上げ始めた。
「んんぅっ……んはぁっ……あふぅ……ふゅっ!?……」
下乳を掬い上げるように寄せながら、痛みを感じない程度に指を埋める。勿論同時に乳輪の辺りを指の腹で擦って刺激することも忘れない。
しかも、左右で微妙に強度を変えたりしているのだ。左が半球が歪むほど強く乳房を揉みあげている時には、右は乳首を摘まみながら左右に捻り上げている。
「ふふふ……♪ダーリンのお胸、ふっかふか〜♪」
器用に両胸を揉みながら、沙耶はその体ごと青子の方へ倒れ始めた!
「!!!!」
「ふぁ……♪こんな感触だったんだねぇ……♪味わいたくなっちゃうよ〜♪」
顔を双球の接着点へと潜り込ませた沙耶。ふにふにふよふよとしたいまだ瑞々しい乳へ、自らの体を執拗に押し付けていく。自らの手で塗られた粘液を、自らの体へとまた再び塗り直すように、沙耶は青子と体を合わせ、全身を使って擦り上げていた。
「ひゅいっ!ひぅっ!ひぃっ!ひゃあっ!」
胸の谷間に顔を埋めながら、沙耶は舌を出して青子の体を舐め始めた。先程の舌戯で熱った青子の体が分泌した汗を、時間から切り離されたこの場所の中で多重に塗られた粘液を、丹念に舐めとっていく……。
舌が青子の体を這い上がる度、青子は嬌声を何度も上げ続けた。嫌悪感は感じられない。寧ろ、どこか快感染みたものすら感じられているようだ。既に彼女の体は、断続的に続く責めの中で感度が遥かに上昇してしまっていた。
「んふふ……お・い・し♪」
外見年齢に見合わぬ淫蕩な笑みを浮かべながら、沙耶は突如として舌を動かすのを止めた。すっかり茹で上がってしまった青子。吐く息はどこまでも荒く、放出された汗が粘液と共に下に流れていく。
瞳には、殆ど正常な風景など映ってはいないだろう。その様を微笑ましげに眺めながら――、
かぷっ
「!!!!ひゃああああああっ!」
――沙耶は青子の乳首に吸い付いた!
「んむっ……んんっ……ぢゅる……っぷ……ちゅるちゅる……」
乳輪を舌先で舐めながら、沙耶は顔を胸に押し付けていく。かと思うと舌を引っ込めて強烈な勢いで吸い上げていく。凝り立った乳首を甘噛みすることも忘れていない。
その間に片手の二本の指でもう片方の乳首を金庫の回転式キー宜しく弄り、残った三本の指で乳房を揉みしだいていく。
全ては――彼女への愛故に覚えた技術。
「レロレロ……んぷぁ……んく……むん……」
否、それだけではない。彼女はこの行為を間違いなく'楽しんでいる'。そして相手にも同様の快楽を与えることを'求めている'。それがこうした知識や技術の習得に勤しんだ理由だろう。
「ひぃっ!いぁっ!あぁっ!あぁあんっ!」
次第に青子の声に、明らかに変化が見られるようになった。戸惑いが消え、ただ快楽の導くままに嬌声をあげ続ける存在へと変化してしまっている彼女。
沙耶はその声をBGMに、徐々に責めをキツく強烈な、しかし感じるツボは外さないようなそれへと変化させていく――!
「ひぃっ!いぁっ!ひぃっ!ひぅあっ!」
「んむんっ♪んむ、んむむっ、んむむんっ……むんっ♪」
「ひ、ひぁっ!ひぁあっ!ひぁあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!」
――本日二回目の潮吹きは、またしても沙耶の後ろで発生した。絶頂の瞬間に見開いた瞳は、まるで安らぎを与えるようにゆっくりと閉じられていく。
流石にほぼ休む間もなく快感を与えられていた脳が、一瞬ヒューズを飛ばしたのだろう。沙耶は軽く舌を出した。
「あはは……ちょっとやり過ぎちゃったかな♪」
ただその表情に反省の色はない。寧ろどこか満足した風にも見える。事実、彼女は現状では満たされていた。愛しい愛しい青子と共に、ずっと交わっていられること、それが幸せなのだ。
すぅすぅとゆっくり寝息を立てる青子、その寝顔に苦しそうなところは何もない。寧ろどこか幸せそうな表情さえ浮かべていた。
と――彼女のお腹が、可愛らしい音を立てて鳴り響いた。
「あ、ダーリンのお食事がまだだったっけ」
沙耶は青子の手足を包み込んでいるとはいえ、そこから直接栄養注入をしたりはしない。寧ろ出来ない。何故なら、それを行うと言うことは彼女の体を沙耶と結合させることを意味しているからだ。言わば肉体的な融合である。
だがそれを行うことは、青子の中にある絶大的な魔力を沙耶の体に回してしまう行為に他ならない。もたらす結果は、お互いに損になる物ばかりだ。故に――全く別の方法をとる。
「ん……しょっと……んぁっ♪ぁふぁっ……♪」
沙耶が、自らの胸を揉み始める。それも、先程青子にやったものとはそれとなく違う、気持ち良さとは無縁の、やや力任せの手の動きで。
――それでも感じているのは、神経をやや弄っているからであろうか。それとも足が肉と繋がっていることと何か関係があるのだろうか。
「んっ……ぅあっ♪いぅっ……んはぁっ♪」
自ら揉み続けている沙耶の両胸が、次第に変化していく。平原と揶揄される寸前の大きさから、徐々に、だが確実にこんもりとした二つの山が形成されていくのだ。
「あっ……あはっ……あはっ……♪……ふふふ♪」
彼女が自らの手を離した時、そこには青子顔負けの巨乳が二つ、こんもりと聳え立っていた。弾力等は先程揉んだ青子のそれを真似ているのか、柔らかさと瑞々しさと弾力性を兼ね備えていた。少なくとも、垂れる気配はない。
「ふふふ〜♪さぁ〜て、口をあ〜ん、って開けて……ダーリン♪」
言われるまでもなく、幽かに開いていた口の中に、沙耶は自らの乳首を差し入れ、同時に片胸を揉み上げた。
「んはぁぁっ♪」
彼女の乳腺を強烈に擦り上げて、青子の口の中に液体が発射された。程良い甘味が彼女の舌先から全身へと染み渡り、彼女の体力を回復させていく……。
放出される際の乳首への刺激が、沙耶の快楽神経を盛大に震わせ、痺れるような刺激を与える。それが彼女の体内で青子への'食事'をさらに分泌させる刺激となるのだ。
「んはぁぁ……っ♪もっと、もっとのんでぇ……♪」
ぴゅうぴゅうと放たれ続ける沙耶の母乳。放たれる度に昂る沙耶の体。母性愛にも似た快感に、彼女の口の端からは涎が一筋、地面に垂れて落ちた。
片乳が止まったらもう片方の乳へ……そう何度も繰り返しているうちに、ようやく乳が止まった。
「……」
すっ……と乳首を離す沙耶。青子はぼんやりとだが、意識を回復し出しているらしい。普段の沙耶ならば、この後はぼんやりとしたままの彼女に抱きつきながら愛の言葉を囁くだけで終わっただろう。
だが……今の沙耶は――明らかに発情していた。
「あはぁ……♪あなたぁ……♪しょやぁ……♪」
夫婦としての初夜。その期待が、逃げ出した青子への憧憬が、待ち焦がれていたときが到来した事への感動が、彼女のなけなしの理性を取り払ってしまったようだ。
先程普段の、と語ったが、もしも青子が素直に受け入れていたとしたら、例え初夜とはいっても、ここまで激しくはならなかったかもしれない。
それこそ両腕を拘束したまま何日も、貝合わせや四十八手を全て試すような事は無かったかもしれない。
だが全ては仮定の話でしかない。現に沙耶は以上に述べられたことを数日間に渡って行い、彼女の栄養が不足したら胸から与えるという行為を繰り返してきたのだ。
その度に青子は正気と酩酊を繰り返している。明らかに、正気に戻るように沙耶は加減している。彼女への愛ゆえに、壊れない範囲で最高の快楽を与え続けていたのだ。
これから行うであろう行為も、青子を壊すことはないだろう。だが、衝撃を与える事は間違いない。
「ん……んぁはぁ……ぁんっ……♪」
瞳を開き始める青子の前で、何やらもじもじし始めた沙耶。その手は何故か股間の辺りに添えられている。まるで何かが突き出そうなのを抑えているかのように……。
「……ん……?」
ようやく青子に意識が戻った。まだ意識は仄かにぼおっとしてはいるが、視界ははっきりとしている。少なくとも、目の前の沙耶の異変に気付く程度には。
「んぁあっ……♪むんんっ……♪んふぅ……♪んなはっ♪」
びくん、と大きく震える沙耶。その調子に、翳していた手の、指の隙間から何かが飛び出てきた!青子の視力と思考から靄が外されるにつれ――徐々に彼女の顔が引き攣っていく……。
「……な、何で……どうして……」
震えるように呟くのは、言葉にならない言葉ばかり。疑問よりも、明確に分かる未来への恐怖が彼女の言語中枢を麻痺させているようだ。
解放感にうち震える沙耶は、青子の恐怖の混ざった質問に、蕩けるような笑みを浮かべながら答えた。
「そ・れ・は・ね……ダーリン♪うふふふふふ……♪」
既に正気を失っているのではないか、そう思わせる返答をした沙耶は、そのまま青子のほとに狙いを定めた。――秘部の上に大きく反り立つ、成人男性ほどの大きさと太さを誇る肉棒を。
「ひぃっ!や、やめ……!」
「大丈夫だよぉダーリン♪痛くないから、寧ろとっっっても気持ちがいいから……♪」
恐怖に涙すら流す青子に、沙耶は笑顔で宥めるように呟いた。一時的に狙いを外し、青子の耳朶を優しく噛む。直後に耳に息を吹き掛けると、
「ひゃあああああっ!」
一気に抵抗の力が弱まり、ぐったりとしてしまう。連日の責めで、すっかり感度が臨界点を突破しているのだ。
「そんなに怖がらなくたっていいんだよ、ダーリン♪……んむっ……んちゅ……」
何度目か分からない『ラブラブちゅっちゅっ』。もはやその快楽を体に覚え込まされていた青子は、ねっとりとした感触と、手足を含めた執拗な責めに再び意識を蕩けさせてしまった。それだけでなく、自ら進んで舌を絡ませるようにもなったのだ。
「んむっ……♪んむぅっ……♪」
ぴくん、ぴくんと戦慄きながら、沙耶の逸物は徐々に大きくなり、固さを増していった。それこそ裏筋が浮き出て、カリの部分がはっきりと皮から外れて見えるほどに。
同時に――いや、下手をしたらそれ以前に、青子の秘部は、宛ら熟れた無花果のごとく、自身の愛液によって濡れ、瑞々しい色を沙耶の前に晒していた。
「ふふふ……♪口ではあぁ言っていたけど、ダーリンも期待しているじゃん♪」
すっ……と、陰茎が青子の陰唇を擦り上げた。捲れ上がった唇の、その内側を。
「ひぁっ!ひぅあっ!」
只でさえ敏感なその場所の、さらに過敏になった神経が、押し付けられた物体の感触を如実に伝えてくる。
さらに長時間の責めによって、沙耶から与えられる全ての刺激を快楽として受け止めるように開発されており――。
「――ひぁぁぁぁぁぁっ!」
沙耶の動きに、体をビクビクと震わせながら喘ぐことしか出来なかった。
開けた実に沿わせるように、逸物を前後させていく沙耶。ずっち、ぬちっ、くちっと膣壁を撫で削るように触れていく。往復するにつれて、次第に彼女の肉棒は青子の愛の液体によってぬらぬらとした光沢を放つようになっていた。
「ひぅっ!ひぁっ!ひぁあっ!」
「ふふふ〜♪これだけやれば大丈夫かな♪」
陰茎を受け入れられるほど、膣肉が柔らかくなったことを肌で感じると、沙耶はついに、青子の秘所に向けて肉棒をあてがった。
「!!!!ひぃ……ひぁっ!ひぁぁ……っ!」
「ふふふ……♪」
そして――!
ずりゅりゅううぅぅっ!
「んはぁぁぁぁぁぁぁっ♪」
「!!!!!!――!!!!!!」
二人は、肉体的にも繋がった。
「んあぁっ!んあぁああっ!」
自らの膣が受け入れられるギリギリの大きさの肉棒、それをいきなり突き入れられた衝撃に、青子は叫んだ。ぶつっ、という何かが破られるような感触も、彼女には伝わっている筈だった。
だが不思議なことに、挿入された際に走るであろう痛みは、青子の嬌声からは伺えなかった。
「んはぁっ♪だっ、ダーリンの中、柔らかくて、あったかいよぉっ♪」
その理由は沙耶にあった。愛する青子が痛みを感じるのは避けたかった彼女は、青子の処女膜を自らの粘液と置き換えておいたのだ。
擬似的に感触こそ似せてはいたが、本来持つ膜よりも遥かに破れやすいそれは、沙耶が挿入を始めた瞬間に青子に痛みを伝えることなく、ぷちん、と破れたのだ。
「んあっ♪んぁあっ♪んぁあはあああぁあんっ」
「あっ、あはっ、んあはぁっ!」
膣道中を埋め尽くして圧迫するように陣取る、沙耶の逸物。亀頭や竿が、先へ先へと求めるように蠕動し震え、傘のように広がったカリが青子の敏感な肉襞をコツコツと擦っていく。
その何とも言えない刺激に、青子の膣は自然と沙耶の逸物をやんわりと締め付けていった。
「あはぁっ♪いいっ♪締め付けいいのっ♪んはぁぁぁぁっ♪」
ぅぱぁん!ぬぱぁんっ!
「んはっ!はぅっ!んはぁっ!ぃゃはっ!」
沙耶が腰の動きを、徐々に速めだした。締め付ける肉壁や、ぷっくり膨らんだ陰核に自らを擦り付けるように、執拗に腰を打ち付けている。
その度に、青子の中では体内が抉られるような感覚と、敏感な陰核が弾かれる刺激が入り交じり、更なる高みへと押し上げていった。
さらに締め付けながら、いつの間にか沙耶に合わせ腰を動かす青子。当人の意識が、完全に体から離れていた。
「んはぁっ♪あんっ♪ダーリン♪もっと、もっとぉっ!」
あとはただ、互いに登り詰めるのみだった。沙耶が突き上げ、青子が受け入れ、青子が締め付け、沙耶が抜いて――!
びくんびくん、と沙耶の逸物が盛大に震えた。その衝動を内側から感じた沙耶は、さらにペースを上昇していった。
「あっ!あぁっ!でるっ!でるのおっ!ダーリンのなかにだしちゃ、ぁ、あ、あぁっ!」
「あぁっ!あぁあっ!あぁあぁあっ!」
既に青子の頭に、沙耶の言葉は入ってこない。あるのは、ただ快楽を求め続ける体だけだった。
辺りを満たす肉壁から、管上の触手が何本も現れ始める。それらは身をくねらせながら――一斉に上方を向いた!
――瞬間。
「あっ!で、でるぅっ!でるのっ!でちゃうのぉっ!んあ、あ、あああああぁっ!」
「んあっ!あぁっ!あぁああああっ!」
びゅるるるるるるぅ〜っ!どぷっ!どぷっ……どくん、どくん。
「「んあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ……っ♪」」
沙耶の逸物は、青子の膣の中で大量の白濁した液体を吐き出した。それらは大半は青子の子宮に雪崩れ込み、幾らかは接合部から溢れ出していった。
力尽きたように青子に倒れ込む沙耶。彼女達目掛けて、周辺の触手も白濁した液体をびゅるっ、びゅるっと放出していく。
スペルマとは違い、甘く、優しい香りが、この二人きりの空間を満たしていく……。
「はぁ……はぁ……、ふふふっ♪」
青子と交わったことによってようやく満足したのか、沙耶の股間からは逸物が消えていた。あるのは、綺麗な筋のみ。
逸物とは言っても、吐き出したのは母乳であるので、青子が孕む心配は無い。元より彼女に、'愛しのダーリン'を孕ます気など無かったのだ。
「すぅ……すぅ……」
どこか満たされたような笑みを浮かべながら眠る青子の額に、沙耶はそっと口付けをして――。
「お休み、ダーリン♪」
――その後、青子は無事に解放されたが、その時既に夏休みは数日間過ぎ去っていたのだった……。
fin.
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