『小五男子失踪!?(二面記事)

先日未明より、〇〇市にお住まいの北上斗真(きたがみとうま)君(10)が行方不明となっている。
失踪した日、斗真君は塾の授業を受けており、塾から出る姿を監視カメラが捉えていることから、警察は塾帰りに何らかのトラブルに巻き込まれたものとして捜査を進めている。
(顔写真を、保護者許可のもと掲載)』
『路上ストリッパー六人逮捕(三面記事)
先日未明、〇〇市路上にて全裸で昏倒していた男性六人を、猥褻物陳列罪の罪で現行犯逮捕した。
現場には性交の後と見られる痕跡が広がっており、警察は六人が性交パーティーを開いていたものとして捜査を進めている。
さらに現場近くには、現在失踪中の北上斗真(きたがみとうま)君の衣類が散乱しており、そちらの方面の裏付けも―――』




………何の事件だよ。
それが、この新聞記事を見比べた僕の感想だ。
小五のガキの失踪が二面を飾る、そのきっかけが何ともお粗末かつヒワイな事件とは。

大の大人が六人揃って腎虚、しかも相手は不明とあっては、情けないやら何やら。
そもそも風貌からして頭が悪そうな奴ばっかし。中学を出ているかも疑わしいぐらいだ。

………とおっと、こんな事を考えていたらいけない。第一、人を外見で判断してはいけないことを、身をもって体験したじゃないか僕は。
………まぁ顔を抜きにしても、妙な事件だこと。

僕の名前は長谷綱槇(はせつなまき)。
こんな名前でも一応男だ。
最上ではないけど、中堅よりは上の大学に通っている。
少し人間的に冷たい、と両親に言われるが気にしたら敗けだと思っている。産まれ持った性格だ。それに、世間大半の人間よりは、慈愛の精神ぐらいは持ち合わせていると自負している。
最も、伝わらなければ意味がないのだが………。



「………さって」
人には他人に言えない趣味、と言うものが当然ある。それは僕とて同じだ。ただ――世間一般のそういう『趣味』とズレてしまう辺りが何とも………。
ネットでニュースを見終った後、僕はそのままお気に入り登録してある別のサイトへと飛んだ。今日こそは、更新しているであろう事を願いながら。

『モンスター娘百覧』

わりと新しく(とは言っても一年続いたらもう新しいとは言えないか)出来たサイトで、世界(異世界含む)のありとあらゆる、精を糧にする生物と、それに関する逸話が沢山載せられているサイトだ。外部からの逸話投稿も受け入れていて、そのどれもが……その……何と言うか………性的使用に堪えうるものだ。
………これは本当に親しい友人しか知らない事だけど、実は僕も、名前を少しいじって投稿している。………他の投稿者には筆力妄想力的に敵わないけどね。
「…………を」
更新していた。長編のアクション物だ。ヘタレボーイとブアイソメン、どちらが好きかは人によるけど、僕はブアイソメンの方が気になるな〜、とマウスの真ん中をこりこりと回しながら読んでいく。
暫くすると、見事に僕のジッパー部分が膨らんできた。顔も少しニヤケてきている。
顔面を何とか元に戻しながら、僕は右の人指し指を動かす。左手は知らず、ズボン――いや、パンツの中に潜り込もうとしていた。
でも自慰のやり方を知らない身。握ったところでどうにもならないと悟った体は、左腕を膝の上に戻すと、むずむずするのを押さえるために、キーボードが置かれた机の裏で、マイマグナムを圧迫していた…………。

…………。

家族共用のPCを使って、私的且つマイナーサイドな趣味、そして自らの性的欲求を満たす行動をする。そんな大学生は僕ぐらいのものだろう。
読み終った僕は、感想掲示板に一言書くと、気に入った小説をワードにコピーしてから早めに電源を切った。
親の視線が、幽かに痛い。二時間近くも座っていれば当然だ。さて、どう言い訳しますかね………。

結局、嘘のつけない体質から遊んでいる事はバレてしまった。………あのサイトについては知られてないけどね。
大学に入って締め付けが緩くなったとはいえ、流石にこのまま親のPC使うのはまずい。どっかでバイトしなきゃな………といつものように、とりとめも無いことを考えながら僕は自室に戻り、課題を軽くやり、小説を読み倒すという駄目大学生活をエンジョイしていた。
この日も、そんな日常の一ページとして終わる筈だったのに。


『――――なお、この事件日以来、周辺各地で男性が腎虚になる被害が続出しており、警察は真相究明に――――』


妙な夢を見ていた。
僕は裸で全身を拘束され、目の前には白衣を着た男。足元には囚人服。どうやら拷問による取り調べらしい。だが、この部屋には拷問に使えそうな道具は見当たらなかった。
白衣の男が嗜虐的な笑みでボタンを押すと、背後の壁が開いて、そこには――!
幾つもの、某ネズミ国の王の手の様なものがわきわきと動き、あちこちに猫じゃらしの様な物体がさわさわと動く、拷問専用機が見えた!
僕は自由にならない体で必死にもがいた!だが張り付けは解除されることもない!
そうしているうちに拷問機は僕の体に近付き、そして、ネズミの手が僕の腰に触れ―――!




「みゃあああああああああああっっ!」 ガツッ


近所迷惑?何それ美味しいの?という大音量で絶叫もとい奇声をあげながら、僕は跳ね起きて――何かに頭を激しくぶつけた。
ちょうど良い位置に当たったのか、僕はそこまで痛くはなかったんだけど…………何がぶつかったんだ?
一先ずベッドから起きあがると、部屋の電気をONにした。

「きゅ〜〜〜〜…………」

わ、見事に気絶している女の子が一人。しかもそれは、様々な意味で日常で隣にいて欲しくないタイプの女の子だった。
まず、ショッキングピンクの髪。これ地毛?と聞きたくなるほど真っピンクなそれは、その髪を持つ人の人格すら疑わせる。
次にその服装。やたら露出の高いエナメル生地(?)のボンテージファッション。生足・ヘソ出しはマーメイドだけにしてもらいたい………ってかそもそもこれは服なのか?町中で絶対隣では歩きたくないぞ僕は。
そして、そんな奇抜なファッションをしているのが、小学校四・五年のいわゆる幼女と呼ばれる類で、しかも対人美的感覚皆無の僕が見てもはっきり分かるほどの美少女だから困る。このご時世だ。例えこの少女と知り合いだとしても、一緒にいるだけで僕が誘拐犯に思われてしまうこと請け負いだろう。………服装的に変態ロリコンのレッテルも確定だろうし。
………と、以上のことからこの少女の隣にはいたくない。寧ろ関わらない方が吉、それは分かった。問題は、既にこの時点で少女は僕の部屋に入っているわけで。しかもベッドの上に仰向けに寝ているわけで。
………この状態を他の人(親含む)に見られたら、それこそ僕の生活の危機。かと言って、このまま何もしなければ、日が昇ると同時に僕は犯罪者になっていることだろう。
背に腹は代えられない。僕は充電中の携帯電話から警察へとかけようとして――その手が止まった。
圏外。
いつもならばバリ三なのに圏外。

仕方がないので親の部屋にある子機を使おうとドアノブを掴んで回――せなかった。まるで接着剤か何か悪戯でつけましたか?と聞きたくなるほどにドアノブは固くなっていた。
念のため鍵がかかっているか見たが、当然のようにかかってはいない。
何なんだこれは?
自室に監禁?
………ヤバい、頭がパニクってきた。落ち着け………落ち着け…………。
「…………」
…………ふぅ。
とりあえず、この子とは地理的な距離を置いて、電波が復旧するのを待―――!


ちゅゴスガッ。


ドアにもたれかかったまま目を閉じてうつらうつらしていた僕は全く気付いていなかったが、件の少女は既に目を醒ましていて、寝起き様いきなり僕にダイビングキッスをかましてきたのだ。接触した瞬間、どこか甘い香りがした――気がした。
だが当然、僕の背後はドア。ダイビングの衝撃から後頭部を強かぶつけた反動で、僕はジダンもびっくり、なヘッドバッドを少女にまたかましてしまうことになり――。
「「あうぅ…………」」
十秒後、そこには痛みに蹲る僕と少女の姿があった……。



………気をとり直して………。



「………名前は?」
何とか痛みから回復した僕は、一先ずベッドに座りながら少女に話しかけることにした。少なくとも、聞いておいて損はない内容だ。
「………トーワ………」
一方の少女――トーワは、まだくらくらするらしく、ふわふわとした危なっかしい口調でそう返事をしただけだ。瞳の焦点が、まだうまく合っていないらしい。
「………名字は?」
「………ん〜?………」
「………住所は?」
「………ん〜………」
「………家のTEL番は?」
「………ん〜………」
しかもこっちが一番知りたい情報には、困ったような顔を浮かべるだけ。これじゃ親にも連絡できやしない。
しかし、よりによって名字が疑問系か………これは親が分からんぞ………。
「………どこから入ってきた?」
「………そこー」
指差した先、そこは窓全開。
この熱い夏だ。風通しを良くするために網戸にして寝ていたが、まさか侵入者が来るとは………今度からクーラーにするか――っとちょっと待て。
「………ここ、二階だぞ?」
なしてわざわざ?というより小五女子がろくに手摺もなく凹凸も掴める場所すら殆んど無いこの横壁を登れるのか?
「………んう?………」
トーワはその発言にすら疑問を覚えるらしい。まるで、
『そんな事、当たり前じゃない?』
とでも言わんばかりだ。あるいは、
『普通に登ってきましたけど』
――普通は無理に決まっとろうが。
そんな反論は己の心に留めておいて(そりゃ妄想に過ぎないからね)僕は、今一番気になっていることを尋ねた。
「………どうして、家に来た?」
動機。わざわざ二階の僕の部屋に壁をよじ登って来る動機。
泥棒目的――ならもっとましな格好およびましな対象があるだろう。何が悲しゅうてこんな中流丸出しの家に居候中の貧乏大学生の財布を盗りに二階から侵入しようと。それに僕のベッドに乗りっぱなしの筈も無いし。
家出少女の隠れ家――も同様。寧ろ人に見てくださいのこの格好は家出するにしても不味いだろ。それに普通は、他人の家に二階から入りはしない。
………僕の拙い想像力ではこの程度しか思い付かないが、だとすると一体何さと言う話になる。
その質問に、トーワは、いかにも純粋無垢そうな瞳をこちらにうるうるさせながら、


「………わはー♪」


トーワは いきなりおそいかかってきた!


突然のことで反応できず、僕は押し倒されてしまった。本日二度目のダイビングキッスだ。
ふわ………と甘い香りが僕の鼻孔を擽り、力の一部が僕から抜けていく……。
残念なことに、壁ほど弾力性が高くないベッドでは本日三度目となるヘッドバッドを繰り出すことは出来ない。僕はとっさに腕で押し返そうとした――が、
「んんっ!」
トーワは僕の口に自分の舌を突き入れ、そのまま縦横無尽に動き回してきた!同時に脇の辺りを両手で揉みほぐす!
「んひんんぃっ!」
夢の正体はこ  れ  か  !
トーワは僕に馬乗りになって体に触れようとした。でもそこは擽りが未だに苦手なほど敏感肌な僕。近付く気配を察し、とっさに目覚めさせたのか!
………ってでもこの状況は――、
「んん………んみゃふ………んふん……!」
敏感なところを揉まれて、びくん、びくんと魚のように跳ねる僕の体。幼女一人を押し返せる力すら入る事もなく、ただ彼女の責めにあえぐ事しか出来なかった。
その間にも、僕の口の中はトーワの舌によって犯されていく……。
歯茎や歯の裏、生えかけの親知らず、唇の裏、そして舌や口内粘膜まで……まるで自身の領土を広げるように唾液を塗り付け、優しく這い回っていく………。
それだけではなかった。
ちゅ………ぢゅぅぅっ!
時々、トーワは僕の舌を強烈に吸い込み、その先端を甘噛みする。押し付けられる唇の、熟れた果実のような柔らかさ。子供が大人の手を引く様な、容赦無いながらも適度な力で引っ張られる舌。そしてそこから広がるじんわりとした刺激に――。


「………ん、んん………ぷは」
「………ははははぁ、…………はは」
トーワが唇を離した時、僕は、体全体の力が抜き取られてしまったかのようにぐったりしていた。
時々、びくん、びくん、と体が跳ねるのは、散々擽られた事で体が着ている服の感触にすら過敏に反応してしまっているからだろう。
体に力が、全く入る気配がない。
「はふぅ……♪」
一方、僕をそこまで追いやったトーワは、艶っぽい熟女顔負けの笑みを一面に浮かべ、やや息を荒げ、尻尾を左右に振って――え!?
焦点の合った僕の瞳に映る、先端が鏃状になった尻尾。それは間違い無く目の前の少女の尾底骨から生えているものだった。僕の目線に気付いていないのか、ますます熱の籠った視線を送り続けるトーワ。その背中から、ぴょこん、とやや小さなコウモリ状の羽が一対現れた。とどめに、トーワの頭から一対の綺麗な角が――!
まさかこれって――。
「さ、サキュバス………!」
僕の呟きが聞こえたらしいトーワは、きょとんとした表情になると、自身の体をまさぐり始めた。頭に手を当て、背中に手を当て、お尻に手を当て――。
「……えへへぇ……バレちゃった、てへ♪」
いたずらっ子の失敗時の行動の如く首を傾げ、可愛らしく舌を出すトーワ。ある意味生命の危機が迫っているのに、その行動を心の片隅では可愛いと感じてしまうのは、やっぱり男の性なのだろうか。――いや、自分の旨好もかなり入っているだろうな。


サキュバス。
女性だと見てとれるモンスターの中で一番ポピュラー且つ抜群のエロさを誇る、淫魔もしくは夢魔。
某やりこみ魔界SRPGで僕は、これと猫耳娘、それと妖花は必ず最優先でパーティに入れていたりもする。吸収系攻撃のエキスパートなので扱いやすかったりして。
ほとんど服としての意味がない、服のように見える部分は、実は彼女等の体毛であり、そこからも淫気を漂わせているらしい。
と言うことはもしやこの少女は…………裸?
――などと余計なことを考えていたら――。


「わはー♪」


トーワは、かなしばりのじゅもんをとなえた!
まきは、みうごきがとれない!


気付けば、首すら全く動かせなくなっていた。視線はトーワの顔で固定。口すら満足に動かせない僕に対して、トーワはいきなり服をひっぺがしにかかった。
器用にボタンを外して上着の腕を通し、ズボンをそのまま下ろしたトーワ。ゆるゆるの服だったから脱がしやすかったみたいだ。………今度から、キツめのを着て寝よう。脱がされないために。
ズボンを脱がしたトーワは――そのまま淫らに微笑んだ。普通の小学生じゃ出来ない笑みだ。――何を見たかは感覚で分かる。
このもしかしたら命の危機的状況の中、俺の息子は呑気にも布を突き破らんかの勢いで自己主張をしていた。誰かはからかってKOMとこれを呼んでいるらしい。KOMとはキング・オブ・モッコリの略だ――っていい加減脱線するのやめよう僕!相手がサキュバスである以上、次に――!

ズリッ

……パンツを脱がすことぐらい予測できるでしょうが……。こうして、何も出来ないまますっ裸にされてしまった僕。元気がいいのは息子だけだ。天井の電灯に向けてそそり立っている。
肌色の巨塔。
――冗談を考えている場合じゃないって!
トーワは俺の目の前で羽の内側に手を当てると………ぬちゃあっ。皮膜が変化して幾つもの肉襞に覆われ、そこから何かの粘液が溢れ出し、ぬらぬらとトーワの手を濡らしてきた。濡らしきれなかった粘液は、俺の布団の上に落ちていく………。
一瞬、もったいないと言う感情が僕の中によぎった。それが布団に対するものなのか、それとも粘液に対するものなのか――絶対に前者だ。そうだ。そうに決まってる………よな?
手が粘液に濡れたことを確認すると、トーワはその手で……ぬちゃぁっ!
「あぁはあっ!」
僕の息子を覆う異様な感触に、思わず悶えてしまった僕。トーワは粘液を僕の逸物に塗り付けた!そしてそのまま握り、扱き始める!
ぬちゅっ!ぬぷっ!ぬちゅっ!
包皮が捲れ上がり、その裏まで塗り付けられ、皮と陰茎との摩擦で淫らな泡が立ち始める。塗り付けられた粘液は潤滑液の役割を果たし、非力な少女サキュバスの手コキをスムーズに行わせる。
トーワは時折力を緩めたり、指毎に力を変えるなど緩急をつけ僕をいたぶる!
だ、駄目だ………出しちゃ駄目だ………相手がサキュバス以前に、外見年齢年上としてのプライドがあるから………でも………気持いい………だから駄目だっつうに!
擦り減っていく心と内心の葛藤を気取られないように、表情の変化を抑えながら必死で舌を噛む痛みで自我を保つ僕。レポートによるとサキュバスは僕等の必死で耐える顔も大好物だと言う話だ。これが熟練のサキュバスなら一発でバレるだろうけど、相手は子供だ。そこまで気付かんだろ………う?

「んんー♪(わはー♪)」


トーワは、ふぇらちおをはじめた!
クリティカル!


「!!!!!!!!!!!!!!」
僕の逸物が彼女の唇に包み込まれた瞬間、僕の全抵抗力は一気に吸い取られた!まもなく肉棒が、植物が地中の水を吸い上げるように、僕の珠から何かを吸いあげて、風を集めて空に放とうと――。
ぴく、ぴぴく
震え出した僕の主砲。導火線の火を止めようと力を出そうとしたけど、全く入る気配がない。そして――
ぬちゅっ!にちゅっ!ぐにゅっ!
トーワが顔を上下させ始めた!フェラを行うにはあまりにも小さな口は、その分頬内の肉や舌をペニスに密着させることになり、しかも先の粘液が潤滑液となって、柔らかな刺激がチクチクと伝わってくる!口の中では彼女の舌が動き回って、粘液と唾液を塗り付け、塗り延ばし、ちゅばちゅばと撹拌していく――!


The time has come...
そんなテロップが頭に流れた瞬間――

どくっ!どくっ!どくっ!………
「……ぅ、ぃ、ぁぁぁぁ……」
声を無理に抑えようとしたが、抑えきれなかった声が唇の端から漏れる。ぬらぬらと液体に侵食された下半身が代わりに歓喜の声を挙げた。
祝砲は全てトーワの口の中に吸い込まれ、こく、こく、こくと喉を動かしてそれを飲み干していく。
「……く、んく、ぷは♪」
楽しげに口を開けるトーワ。可愛らしい舌の上には、僕が屈服した証が一面に広がっている。
……僕、イカされたのか、サキュバスとはいえ、こんな子供に……。
僕の考えが読めるのか、口を閉じて精液を飲み干したトーワは、無邪気な視線のままこう口にした。
「うれしそう!こっちなら……もっときもちがいいよ♪」
どの顔を見たら嬉しそうなんだよ!僕の気持なんか分かっちゃいないじゃん!この少女は自分が気持良いし、腹ペコだからやってるだけだ!
とにかく今は逃げ出したかった。あの窓からでも、この少女に何も出来ず犯された心の傷を癒すために、なるべくこの子から離れるように――!
でも、さっきの射精で完全に体の力が抜けてしまった所為で、僕の腕も脚も、ほとんど動く気配がない!精々シーツをひっ掻く程度だ。
「だめだよー♪」
その動きすら、サキュバスによって封じられた。淫靡な笑顔で僕の顔に近付くと、ふっ、と僕の耳に息を吹きかけ、耳たぶに軽く噛みついた。
びくびくびくぅっ!
「はあううああっ!」
快感のあまりガクガクと震える僕の体。力が完全に抜けたと確信したらしいトーワは、


「わはー♪」


トーワは、ペニスをじぶんのさやにおさめた!
クリティカル!


「――ぁぁあああっああっ!」
いきなり自分の女陰を拡げると、僕のペニスをそれで包みこんで来た!
十一才くらいの少女の膣は、年齢相応に小さく、そしてキツかった。にも関わらず、先程のフェラで塗り付けられた、唾液と粘液と精液の混合が潤滑油の役割を果たし、根本まで僕の逸物を受け入れてしまった。
膣の中はほんのり暖かく、柔らかな肉襞と粘性の高い愛液で満たされていた。彼女が腰を動かすと、襞の一枚一枚が愛液を塗り広げ、カリを圧し擽り、撹拌された愛液のベクトルと膣圧の相乗効果で一気にペニスを揉み上げる!そして揉み上げた瞬間には奥へと誘い、全てを吸い込もうとする!
挿れられた瞬間、自分の敗けが確定したのが分かった。
淫魔の膣は、例えそれが子供であっても、人間が挿れて耐えられるものではない、と――今更ながらレポートを思い出していた。

びゅるっ!びゅるるるぅ〜〜〜っ!

抵抗する間も無く、彼女いない歴=年齢の僕は、童貞歴を彼女を作る前に終えてしまうことになった。
目の前の、いたいけな少女サキュバスの手によって――いや、膣によって。

「………ぁっ、………ぁっ、………ぁっ」
一度絞り取ったらもう十分らしく、あっさりと膣から解放したトーワ。だが、依然として僕が俎板の鯉であることには変わりがないわけで。そもそも気持良さと童貞を奪われたショックのあまり理性が壊れ、もうこのままこの可愛らしいサキュバスに食われても良いかも………とか考え始めてしまっているわけで。人生で一番重要なのは諦観ですから。
だらしなくにへらと笑っている僕の顔を眺めて、トーワは満足そうにお腹をさすっていた。
「えへへ〜♪」
そして僕のようににへら〜、と笑うと、背中の羽を動かし始めた。
何をする気だ?
………。

体感時間で十分後。

「――ん〜」
少女の顔から笑顔が消え、少し必死そうな顔になる。
心なしか、僕の体が自由になった気がする。腕を少し動かしてみた。
――ちゃんと動く。でもまだしっかり力が入ってはいない。
「むぅ〜!」
そんな僕の様子に気付かず、トーワは羽を動かし続けた。


体感時間でさらに十分後。
「うぅぅ〜………」
羽を動かしたまま、トーワはついに涙目になった。泣くのも時間の問題か。
「…………ぃぐっ………ふぇぇ〜ん……」
ついに泣き出したトーワ。その瞬間、僕の体に一気に力が戻った。まるで、体から自分を抑えつけていた何かが、一気に抜け出て行ったかのように……。


この時、僕に少しでも理性が戻っていれば、即座に窓から逃げ出していただろう。残念なことに、僕の理性はこの時目の前の少女によって壊されていたわけで。そして僕自身も多少最初から歪んでいたわけで。
理性と肉体に抑え付けられていた衝動。それがこの瞬間、解放された。


まきは、バーサクじょうたいになった!


「……ふえ!きゃ!」
脚の上に座るトーワを一気に押し倒し、その平な胸を爪が食い込むほど揉み込みながら、そそり立った肉棒を幼い体に突き立てた!
「あぃっ!ああぇあっ!」
突然の事で心理的障壁が築けていなかったのだろう。痛みスレスレの快感(もしかしたら痛みかもしれないが)のあまり、トーワは嬌声を上げた。可愛らしい顔が苦痛と快楽に歪む。
僕はそんな表情の変化など気付かなかったし、気付いても気にならなかっただろう。今はただ、体の興りを目の前の対象に叩き付けるだけ。そう、本能のままに。
「あっ!あうっ!あぅっ!あっ!」
「はぁっ!はっ!ぁっ!はぁ!」
盛りのついた犬のように、僕はトーワに対して腰を振り続けた。目の前の少女が淫魔でなければ確実に子宮が壊れてしまうだろう速度で、だ。
技術なんてもののへったくれもない。童貞を今さっき止めたばかりの体だ。ただ奥に、奥に逸物を搗き込むだけだ。
「あっ!ああんっ!あぁあんっ!」
パンッ!パンッ!
太股同士が激しく接する音が部屋に響く。外に漏れたら終りなのだが今の僕は気にならなかった。
頭にあるのは――彼女を壊す事。
だが――。


トーワの、むまのキッス!


「んぢゅうぅぅぅぅぅっ!」
何度目か腰を振り下ろした後、一瞬力が抜けるタイミングを狙って、トーワは飛び起き、僕の唇に自分の唇をくっつけた!そのまま僕の舌を猛烈な勢いで吸引する!虫歯の多かった僕は、それがまるで歯医者の唾抜きの機械のように思えて――。
「………ぷは、くす♪」


まきのバーサクが、とけた。
まきは、つかまって、みうごきがとれない!


全身の力が抜かれ、抵抗する気力すらも吸い取られた僕は、目の前で、僕の抜き身の刀を自分の鞘に収めたまま無垢な笑みを浮かべるトーワを、焦点が全く定まらない目つきで眺めていた。
――あ、僕、もう無理だわ――
このまま、彼女に思うようになぶられるのが僕の未来だと、状況から悟った。
そして、僕の心のどこかに、それを受け入れる部分があることにも、今更ながら気付いた。
不思議と、安らかな気分だった。
あと一回、あと一回で僕は消える。そんな退廃に満ちた予感、その代償に得る、天に昇り、地に堕ちるような快楽。どちらも、考えてみれば最高じゃないか――。

……………。

あれ?
相変わらず膣は柔らかくねっとりと逸物に絡み付いてくるけど……動く気配がないよ?

折角受け入れたのに、萎えたな………と考えて目を開けると。


「Zzz...く〜」


トーワは、おねむのじかんになった!


「なぁにぃぃぃいっ!」
ちょっと待てこれ何て生殺しだ!?
散々犯され抜いて、最後のとどめささずに寸止め実行かよ!
僕の中に生きてて良かった、などという言葉は最早存在しなかった。
犯され、犯した僕の心は若干壊れていたのかもしれない。
――死んでもいいから、逝かせて――
こんな事を平気で思えるようになっていたのだから――




「――精もろくに出ない体で。思ってる事に締まりがないわよ?初ヶ瀬マキナとやら」




「――!!!!!!!!」
今まで誰も乗らないコーヒーカップに劣るほどに回っていなかった頭が、この一言で一気に回り出した!
知らない女の人の声。それが、僕以外誰も知らない筈の名前を、僕に言ってきたからだ。

体が動く範囲で視点を動かすと、そこには妙齢の、チャイナ服を着た女性が――どこかで見たような羽根を広げて窓枠に腰かけていた。
「全く………トーワの帰りが遅いと思って来てみれば、どこか覚えのある気配もしたし。で、覗いてみれば――ビンゴ」
まるで品定めするかのような目つきで僕を眺めるサキュバス。
トーワは………完全に寝てるし。
「………出来ればすぐこの子を引き取って貴方の記憶を消そうと思ったけど――」
憂いに満ちた視線で僕を見つめたサキュバスは、何の前触れもなく手を伸ばし――僕の額に触れた。
その瞬間――!




「はうあぁっ――」




一瞬スパークが走ったかと思うと、僕の体と意識が切り放されていく感覚が――




「――あぁもう、トーワったら派手に魔力使っちゃって。はやく人間の男の子に変化できるぐらいの魔力を得なきゃならないのに……一部がこの男の中に流れ込んじゃってるじゃない。凶暴化したのはこれの所為ね――って魔力が定着してるじゃない。とろとろの所にレポが来る以上は闇に近い魂質ではあるとは思ったけど……」
僕の目の前で、サキュバスが一人、何やらぶつぶつ呟いてる。時折額の指をくるくる回したりして、その度に僕の意識は霞がかかって――どこか透き通っていった。
ぽややんとしている僕を、サキュバスは人形でも扱うかのように動かしていく。うつ伏せにして、足を開かせて、脇を上げて、また引っくり返して――まるで何かを確かめるように。
そして――。
「――そりゃ魔力も移動するわね。あの子も精を吸い付くそうとしちゃうわけよ」
どこか安堵したような声が僕の脳に届い


ぐにゅうおぁんっ!


「――あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛――」
な、何かが僕の額に入り込んで――!
そのままずぶずぶと僕の頭に沈んで――



まきのひたいに、サキュバスのうでがうまっていく………
まきは、めのまえがまっくらになった………




「――これから、彼方にはトーワの保護者をやってもらうわ。保護者って言っても、やる事はヤる事ぐらいだけどね。返事は?」
「…………」
「返事がないわねぇ………じゃあ、脳内かき回してあげるわね」
ぐにゅうおぁんっ!
「――あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛――」
「さぁ………返事は?」
「…………」
「返事がないわねぇ………じゃあもう一度」
ぐにゅうおぁんっ!
「――あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛――」


闇の中、僕はサキュバスに囚われ、虜にされていた。僕の魂は体から一時的に抜き出され、サキュバスの体の中で何度も責められ続けていたのだ。
その間も、僕の頭に入った彼女の腕は、脳を何度も直接的にいじくっている。そして――彼女の言葉が脳の奥底に刻み付けられていく。
一回こねられる毎に――
「あ゛あ゛あ゛――」
僕の中で何かが変わっていく………。
僕の何かが変えられていく………。
その過程が、何とも――どこか気持よくて――。
もう精は出し尽した筈なのに、僕の逸物は反り立って――。
既に僕は、この淫魔の僕となりつつあった――。
そして――

びゅくっ、びゅくっ、びゅくっ………。


白い砲弾――それは本当に精だったのか………?――が発射された瞬間、

'僕'は、消えて、し、ま




「さぁ………私の言葉を繰り返して……」
「……は………い………」
「私は、サキュバス・トーワの保護者になります」
「私は………サキュバス………トーワの………保護者に………なります」
「『看板娘』の同意の元」
「看板娘の……同意の元……」
「成長するまで」
「成長…するまで――」


「「トーワに、精を捧げることを」」


「………良くできました。じゃあ、トーワが来るときには、額に羽根の印が浮き出るから、毎晩寝る前に鏡を確認すること。言いたいことがあったらとろとろのところに送ること。それから今日の記憶はトーワと交わる時以外は消しとくわね。色々と支障があるだろうし。あと――私の名前、考えなさいよ」
その声が朝の光に溶けて消えた時――





「………ふぁ、む」
いつもと同じ、気だるい朝。
低血圧な我が身を起こしながら――それにしても重い。クーラーはつけていないのに………。しかもどこかもぞもぞするし………――僕は大学に行く準備を始めた。
いつもと同じ日常。
いつもと変わらない日常。
そんな筈なのに、僕はどこか違う様な気がしていた。そう、何て言うのか、根本的な部分が変わってしまったような――。
――気のせいだろう。そう考えつつも、どこか残る不安。
そんなものを胸に抱えつつ、僕は学校に遅刻しないために、鍵のかかっていないドアを開け、部屋を出た――。



fin?



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――昨日の新聞の写真を見て、思わず叫び声をあげたのは、その日の夜、コウモリの羽根印が額に浮かんだ瞬間のことだった。交わる前に、『モンスター娘百覧』に急ぎのメールを送ったのは言うまでもない。



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