この世界に於いて、歓楽の里と呼ばれる場所は少なく、歓楽の地とまで呼ばれる地ともなると指で数えた方が早い。
代表的なのは『ジョイレイン地方』だろう。あらゆる娯楽を早々に取り入れ、開発し、嬉々として外部に搬出している様は、まさに『娯楽の発信地』だ。
巨大歓楽施設ならば『絡繰姫』ギーァルード=ヴィッテンの治める地方が、対象が人間のみであるとはいえ有名である。機械の原型とも言える精巧な絡繰を、製法を何処にも公開せずに作り上げているのだ。一説には、『絡繰祭』の入賞品は二年前に既にその地方で完成されたものだとか……。
だが、そうした者が提供する歓楽は全て、『楽しむ』ものである。『愉しむ』物としての歓楽も、また一つの国として存在するのだ。そして、その中心に存在するのは、何も人とは限らない……。

――――――――――――――

「ひい、ふう、みい、よ、ちゅう、ちゅう、たこ、かい、な……」
手元でこの地方の共通紙幣を数えているのは私――ラン=ラディウス。番台で、本日の収入を計上しているのだ。
「ひい、ふう、みい、よ、ご、ちゅう、ちゅう、たこ、かい、な……」
前の番台さんが一身上の都合で辞めてからずっと、私はここで番台をしている。最近ではこんな感じで、経営に関してやる気のないオーナー……というかご主人様の代わりに帳簿をつけたりしている。
『別につけなくてもよくなぁい?ほら、黒字だろうし』
黒字なのは否定しませんが、つけなきゃいつ赤字になるか分からないのですがねぇ。はぁぁ……。
「ひい、ふう、みい、よ、ご、ちゅう、ちゅう、たこ、かい、な……と」
ようやく数え終わった収入を、帳簿に記す。うん、今月も既にノルマを達成済み。そのノルマが低くない?って質問が何人かから来たけれども、
『下限で良いじゃない。気持ち良くナニするんでしょ?ノルマに縛られてスコスコやっても気持ち良くならないわよ〜』
オーナーがこの通りなお考えでして。判断基準は快楽オア気持ち悪いなんて……分かりやすすぎる事この上ないですよ。そもそも……。
おっと、愚痴思考もこれくらいにしよう。私はつけ終えた帳簿を持って、オーナーの居る部屋へ向かう事にした。

――――――――――――――

「……うわ、真っ最中だ」
よくもまぁ、こんな朝っぱらからやる気になりますよねぇ、と思わず呆れたくもなるくらい、オーナーは色狂いだ。当人曰く、
『色狂いはステータスだ!希少価値だ!』
だそうで……珍しくありませんよ?それくらい。
兎に角、耳を澄ますとこれでもかと言うくらい水っぽい音が響く、オーナーが相手をなぶる声が聞こえる、相手の喘ぎ声が聞こえる、ギシギシと言うベッドの音は……布団のガサゴソと言う音が代役を勤めていて……あぁもぅ!聞いているだけで妙な気分になってくる!明らかに私が居る場所が場違いな……ってそんな場合じゃない!
私は意を決して、飾りに混ざって良く見えない(いつの間にこんな飾りを買ったのですか……オーナー!(泣))位置にある呼び鈴を盛大に鳴らした。

「オーナー!帳簿付け終わりました!後はオーナーの確認印だけです!ドアに挿しておくので、捺印をお願いしますッ!」

大声で叫んで、部屋の前を去る私。こうでもしないと、あのオーナーは……起きない。寧ろ起きようとしない。ずっと布団の中で宜しくやっている。止められないなら、いっそ思いっきりやらしてしまえ……ただし、水は差す。それが長い間、このオーナーの元で働いてきた私が学んだことだ。
一先ず、次の仕事――各部屋の片付けを終えたあとに、またオーナーの部屋を訪れることにしよう。そう決めて、私はいろんな娘が入っていた仕事部屋に向かうことにした。
もしもやっていなければ……オーナーに殴り込みをかける。
絶対に。

――――――――――――――

「あぁ……これはもう……」
キューブ……じゃなかった。三乗ならぬ惨状。目の前に広がる風景をこれ以外に的確に表現するならば、カタストロフ、パンデモニウム、ヘルズゲート……さらに酷い言葉しか思いつかない……。
「'ゲイシャ'さんと'マイコ'はん以外が酷すぎる……」
今先に挙げた源氏名を持つ二方は、おしとやかにして礼節正しく、乱れても元通りに直してくれるのだけど、他は――投げっぱなしジャーマン。布団は乱れっぱなし濡れっぱなしの甘い香りは付きっぱなし、部屋の飾り落としっぱなし、お酒飲みっぱなしのマイク小道具ほっぽりっぱなし、しかも娘によっては体液で色々と汚しっぱなし……あぁもぅ、もぅ。
「……神様、居るなら運命を恨んでも宜しいですか……?」
これだけの量の洗濯物と廃棄物を前にして、昼前には確実に終わるであろうと考えられる私の家事の実力を下さったことを。そして――そのせいでオーナーが一人も他の番台を雇おうとなさらないことを。
「………はぁ」
恨んでいてもしょうがないので、私は早速、妙に甘酸っぱい香りのする布団をシーツだけ軽く水洗いし、天日干しにすることにした……。
あぁ、あの二人は洗ってくれている……有り難いよぉ。

――――――――――――――

……コロ助……じゃない。本当に毎回殺す気ですかあの娘達は……。性臭が染み付いたシーツを何枚も重ねて持っていくときなんて……普段どれだけ私が抑えていると思ってるのよ。寧ろ彼女達は、もう少し自分を律することを覚えて欲しいわよ、全く……。
空高く照る太陽。そよ風にたなびく大量のシーツ。毎朝の見慣れた光景だ。何と言いますか、太陽の力は立派ですよ本当に。あの性臭が取り込む頃には全て浄化されてますからね……。
「はぁ……ぅ……」
うぅ……体がむずむずする……完全に当てられたねこれは……。イチゴクリームに生クリーム、仕切りにバターをたっぷり練り込んで焼き上げたパイ生地を重ねたミルフィーユが私達の鼻を擽るように、甘さと酸っぱさが合わさったような香りが染み込んだシーツが幾重にも折り重なったそれは、私の内部深くに仕舞い込んである本能を刺激するには十分なほど、濃厚で官能的な香りを溜め込み、そして放っていたのだ。
それを真近くで吸い続けて、よくもまあ発情しなかったもんだ、とも思えてしまい、思わず苦笑する私。初めの頃は、干す途中で思わずへたり込んでしまって、狂ったように喘ぎながら自分を必死で慰めていたっけ……。そして――。

『うっふふ〜♪ランちゃあ〜ん♪こんなところd』

「――ッ!!!!」
……あぁ、今思い出しても恐ろしい。あのとき背後に立っていたごしゅ……オーナーの喜色満面の笑み……。そしてその後の、時間感覚すら完全に崩壊したあれ……。
あの日から数日間、我に還るまでずっとご主j……オーナーの部屋でオーナーにじゃれてたらしく、'DJ'がその様子をオーナーの命令(……本当に命令?)で仕方なく(……本当に仕方なく?)撮っていた画像を見て、意識が飛びそうになったのは言うまでもない。
「――ぅぅ……」
歩く度に、股間の辺りからどこか、ぐちゅぐちゅと言う湿っぽい音が私の中に響く。体は素直、って使い古された表現があるけれど……使い古されるってことはそれだけ適用例があるわけで……。
はぁ……また洗い直しか、私の下着……。

――――――――――――――

「――はぁ――はぁ――ぁ――はぁ――」
先程までは気にならなかった、オーナーの気が、今は敏感な肌によってどこまでも感じられるようになっている。支給されたナフキンで、太股を垂れる愛液を拭き取り、一歩、また一歩とオーナーの部屋に近付く私。
「――あふ……ぅ……ぅん……んんっ……」
ちりちりと、体が焼かれている。内側から現れた炎に、少しずつ焼かれているのだ。理性と言う皮を炭へと変えていき、本能と言う肉をせり出そうとするかのように。
私は内心で、炎を食い止めようと水を被せながら、よろよろとドアノブを握り、ゆっくりと回した。帳簿は抜き取られていることから、あの後きりの良いところで起きたのだろう。
ぎぃぃ、と音がし、ドアがゆっくりと開くと――?

「オーナ――あ?」

しゅるるん♪
――え、えと、その発想はありませんでした。
「――〜〜〜〜〜〜ッ!?」
視界一面どころか体全体を覆い尽くすほどの黄色いふさふさとした毛が、ドアの中から一気に飛び出て――私の体に巻き付いてきた!
脇の下から指の間、首筋や内股に至るまで一気に巻き付き、その暴力的なまでにふさふさと柔らかな感触を私に主張してくる!当然――過剰に敏感になっている私の皮膚にとってその感触は、乾いた筆でなぞられているようなもの――!
「ひゃああああんもっ!」
物凄い勢いで引き込まれ、皮膚を擽られて悶え叫んでいた私の口は、突如目の前の何やら柔らかい物質によって塞がれた。柔軟でありながら弾力性を兼ね備えたその物質からは、まるで熟れた果実のような深い甘味を持った芳香が漂って、私の鼻から、皮膚から、空気に触れるあらゆる場所から私の中に染み渡っていく……。
「ん〜〜〜っ……ん〜〜〜っ……」
その香りの正体を知っている私としては、早くこの安眠枕から抜け出そうともがく。けれど、こそばい具合に背中に――って!
「んむむんんむんむむん〜〜〜〜!」
あぁっ!私を縛るふさふさした物体が器用に服を脱がしていくっ!いつの間にかスカートは下ろされて、とろとろ流れる愛液で湿った下着まで手にかけられてるっ!?
払い除けようにも、腕にくるくる巻き付いて生きた動物毛の感触を思う存分感じさせられて力が抜けてしまって……。
「んん……んん……」
あ……パニックのせいで酸欠……何かふわふわしてきた……。
するり、と最後の一枚まで脱がされた私の体は、ふさふさとぱふぱふ、二つの感触を常に与えられていて……しかもあまぁいかおりが、からだをあっためてくれて……。

あれ……きもちいい……?くるしくない……?

……あ……だめ……。
お……ち……。

ふぉっ……

「……っはぁ……っはぁ……はぁっ……」
あまぁいかおりのくうきが、わたしに吹き付けてくる。足りない酸素を取り入れようと、私は懸命に吸って吐いて、吸っては吐いてを繰り返した。そして心臓も落ち着く傾向が見られた頃、私はこの一連の元凶を睨みつけることにした。

「……ふふふっ♪ランちゃんの吐息、気持ち良かったわよぉ……♪あったかくてぇ……ふわふわしててぇ……♪」

「………」
睨み付ける気すら、根刮ぎ奪われるお気楽な声。床ではこれを耳に息を吹きかけつつやるからある意味手に負えない。と言うより発言内容自体がこれではいくら睨んだところで意味もないだろう。
……泣きたくなる。これがオーナーだなんて。
「それにギュッと抱き締めてぼぉっとしたランちゃん、本当に可愛いんだものぉ♪適度に火照った顔、虚ろなのに澄んだ目、物欲しそうにだらしなく開かれた口……♪」
「そんな理由で私の地獄門を開くような行為をしないで下さい!」
「御姉さんは興奮しちゃうと、ついヤっちゃうんだ♪」
……駄目だ、このオーナー、いろんな意味で駄目だ……。
「そんな事よりランちゃん」
「私の命を一言で投げ捨てましたね」
そんな事よりって……明らかに死にかけたんですが……。
「帳簿、確認しておいたわ♪ついでに八番の修繕費と十二番の改築費用、あと五番の罰則金も含めて追加しておいたから、後で確認しておいてね〜♪」
本気を出せば、オーナーは私より遥かに良いであろうその頭をフルに活用して、私よりも早く効率的にあらゆる行為を行う。それだけのポテンシャルがあるのに……普段はただエロいだけの――?
「――え?後で?と……言いますと……?」
とてつもなく嫌な予感がしつつ訊ねると、オーナーは堂々、その嫌な予感に応えてくださいました

「勿論、今からランちゃんはこの私、ハンス=エイシアンとタノシイコトを初めてもらいます♪」

「……はぃぃ!?」
と言うよりその孤島で生徒が殺し合いするような台詞回しは一体何ですか!?そう思いつつも、体は意識を取り戻したかのように疼きを広げていくし……!
「ランちゃんも限界でしょぉ……♪うふふ……♪」
喜色満面のオーナーの耳は、顔の横ではなく頭上でピコピコと動いている。指を近付けるとくりくり回る狐耳だ。しょぼんとしたときにペタンと髪の毛に倒れ込んだりするのが、妙にかわいかったりする――と言うのが店の娘達の共通理解だったりする。
で……先程から私に絡み付きながら服を脱がしてきたもふもふふさふさした毛束は全て、オーナーの尻尾。先端が黒っぽい毛で彩られているそれの本数は――九本。
そういうことなのだ。先程私を窒息死に追い込みかけた凶悪な胸を持つ、どこまでも色狂いで隙あらば店の娘ともヤっている事すらある、頭が良いのにそれを滅多に使わないオーナー、ハンス=エイシアンの正体は、九尾の妖狐なのだ。
「ほらほらぁ♪我慢は体に良くないのよぉ♪唯でさえランちゃんは禁欲がちなんだから、せめておねぇさんの前ではありのままに求めちゃってよぉ♪」
誰がおねぇさんですか……。
ただ、それを口に出す勇気も、そもそもそれだけの精神力も、既に私の中には無かった。口に出したら、次に何されるか予想に容易すぎるし……そもそも……。
「……あぁ……はぁ……はぁぁ……ぁぁ……」
既に私の体は発情スイッチが入っていて、しかもオーナーの纏う淫気が強烈な上に至近距離で浴び続けているものだから……!

さわさわさわゎ……

「ひゅあぁっ!」
背中に被さっていたオーナーの尻尾がそわそわと動き始めた!ジパングの皇家が愛用したと言われる伝説のマントの原料としても知られる九尾狐の毛は、さっきも言ったように手が沈み込むほどに柔らかくて、肌触りが非常に良いのだ。ただその肌触りの良さも、普段よりも格段に敏感になっている私の肌にとっては、気持ち良さよりもこそばゆさが遥かに勝る。まるで前衛絵師が人体をキャンパスに見立てて筆を下ろしていくように――!
「うふふふっ♪禁欲はこの場ではお・ぼ・う・し♪」
「それを言うなら御法度――ひゅあぁっ!」
私の言葉を防ぐように、首筋を狐の尻尾が撫でる。さわもふの感触が、私の体をさらに震わせ、それが全身を覆う他の尻尾に体を擦らせる結果になって――!
「ひゅあふぁっ!ふあぅっ!ひゅ――ぐんむぅ〜〜〜っ!」
暴れるように動く私の体を固定するように、オーナーは私をさらに抱え込み、フェロモン溢れる胸に押し付けてくる!既に……ふぁう……発情してふにゃふにゃになってる私の体は、温泉に一時間浸かったように茹で上がっていて……しかも力が入らない体を優しく包み込みながら……ひゅぁっ……暖かな自然の毛布がくちゅくちゅこちょこちょと容赦なく擽っていて……ふぁあっ!
「んむんんんっ!んんんっ!」
私の耳に、尻尾の先端が入り込んで、またくしゅくしゅと擦り上げているっ!最高級ポンポンで耳垢を取られるような気持ち良さ……でも今の私には刺激が強すぎるっ!逃れようにも全身ふさふさ毛に包まれて動けないし……ひゃあああっ!
もう、私の視界には幾つもの星が小さな銀河系を作っていて、まともにオーナーの体すら見ていられない状態で……。
「うふふ〜♪ランちゃぁん……さらけ出しなよぉ……♪貴女の全てを内部に、そうばら蒔いてぇ……♪」
あぁ……オーナーの全身から、いよいよもって濃厚な桃色のオーラが……異常に濃縮された桃の香りを伴って、私に浴びせられて……ぁぁ……ぁあ……ああっ!
「んんん……んんんむん……んんんんんんっ!」
か……体が……からだが……アツイ……焼ける……むずむずする……っ!ダメっ!もう……もう抑えられないよぉぉぉっ!

「んああああああああああああああっ!」

ぷしゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ……。

「……ぁぁっ……ぁあっ……」
あぁ……やってしまった。オーナーの尻尾に全身包み込まれてイッてしまった私は、オーナーの体に盛大に潮を吹き掛けてしまった……。股間と、オーナーのお腹の接点が、暖かい……。
「んふふっ♪ようやく素直になったじゃないのぉ♪おねぇさん嬉しいわぁ……ね♪」
無邪気な声で嬉しそうに言うオーナー。体の上でねばついた愛液を掬い上げ、艶やかに口に運ぶ。その仕草の一つ一つがどこかいやらしい。尻尾もその動きに連動するかのようにうねうねと全身を撫で擽って……。
一度達したとはいえ、すっかり茹で上がってしまっている私の体は、まだじくじくと疼いて、脳はすっかり蕩けてしまっていて……。
「……あはぁ……おーなぁ……」
だらしの無い笑顔を浮かべながら、私はオーナーを見つめる。舌足らずな声で名前を呼ぶ、その自分の行為だけで私は、これからされるであろう行為に対する期待からか、股間がじゅん、と濡れてしまう。
上目使いで、媚を売るようにオーナーを眺める私に――。

「ふふふ……♪'解いて'欲しいのぉ?」

――質問は、ゴーサイン。発言したときには、既にオーナーは行動を終えていた。
「あぁあああああああぁぁぁああああああんっ♪」
私の体が一瞬火照ったかと思うと、次の瞬間にはぽんっ!と軽やかな音を立てて、頭からは狐耳が二つ、尾てい骨からは狐の尻尾が三房も生えていた。体に無理に仕舞い込んだものを、ようやく解放したような、何とも言えない清々しい感覚――それは次の瞬間には、欲求不満へと変化していた。
妖狐は快楽に貪欲だ。特に、直前まで九尾狐の媚香に当てられていた狐は……何処までも抑えがきかない。
「……はぁっ……はぁっ……ぁっ……あっ……ああっ!……あっ!……あぁっ……」
三本の尻尾も、耳もしっかり逆立ち、オーナーからの襲に備えている。防御ではなく、いつでも受け入れられるように……。
「うふふふふっ♪やっぱりこうでなくっちゃあ……♪」
軽く一言を漏らしつつ、オーナーは私の前で自由な尻尾をゆらゆらとさせた。両腕と両脚を包むので使うのが四本、首筋にマフラーのように巻き付くのが一本。残り四本のふさふさ尻尾が、私の目の前でゆらゆらと揺れている。
そしてそれらのうち三本が、一気に行動を開始した!

「ふぁあああああぁあぁあぁああっあぁっぁっあああああああああああああっ!」

二本が、狐の耳に一気に差し込まれ、鼓膜の辺りまでそわそわと擽り始めた!まるで毛むくじゃらの生物が巣に体を潜り込ませるように、時おり脹れたりうごうごと身をくねらせたりしながら、脳に程近い場所の性感帯を執拗に刺激する!そしてもう一本は――私の三本の尻尾を一纏めにして締め付け始めた!
「ひぁあっ!はぁあぁあっ!ぁあああぁあっ!」
妖狐にとって、尻尾は性感帯の一つだ。オーナーが尻尾を使って私を犯しているのは、自分も気持ち良くなりたいからでもあったりする。
「んぁっ♪……っふぅ♪んんっ♪……ふふっ♪」
私の尻尾に巻き付いたまま、オーナーの尻尾が上下に動き始めた。上昇するときには心地好く撫でられる感覚が気持ち良いけれど、下降するときには、毛が掻き上げられて、尻尾の皮膚部分を筆でなぞられるような感覚に、背中がぞわぞわとした。
まるで男性器を弄るような尻尾遣いに、私はただ体を震わす事しか出来なかった。耳の中で暴れる尻尾も、下手をしたら鼓膜を破って頭の中をそのままかき混ぜられてしまうかもしれないのに、腕も脚も首筋も、このままオーナーの尻尾の中に閉じ込められてしまうかもしれないのに、私は何も出来ない――いいえ、何もしなかった。
だって……私も欲しいから。
「うふふふふふふふふ♪」
オーナーが、私の体を少し持ち上げた。つ……と糸を引いて、秘部とオーナーのお腹が別れを告げる。まるで何処までも深いキスをした相手を名残惜しむかのように、じっとりと糸が地面へと落ちてい……く……!?

ず  ぼ  ぉ  っ  !

「――〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」
オーナーの尻尾、その最後の一本が一気に私の中に差し込まれた!そのまま粘膜を纏い、膣壁をちくちくもふもふと刺激しながら、どんどん進んでいく!
「んはぁぁぁっ♪いいわぁ……狐の逆毛を撫でられるような感触……ゾクゾク来ちゃう♪」
「んはぁぁ!いぁあぁっ!ひぁっ!んほふぁっ!あぁあああああっっ!」
既に愛液でぐじゅぐじゅに濡れて柔軟性を持っている私の陰部は、オーナーの挿入を柔らかく受け入れている。抜いて、挿して、抜いて、挿して。その度に毛の先端がちくちくと肉襞を刺激し、尻尾をキュウキュウくわえ込む。愛蜜で濡れていると言うのにオーナーの毛はとても柔らかくって、まるで厚い綿をくわえているかのよう……。
「ふふふっ♪そろそろ逝っちゃおっか♪」
外も中も、私はオーナーの尻尾の為すがままだった。オーナーは、尻尾という操り糸を用いて、私の体を思うままに動かし、弄び、玩び、犯していく。暖かく、くすぐったい感触が
いつの間にか、オーナーは私の目の前にまで近付いていた。そのまま、その豊満な胸の先端を私のそれに押し付けながら、じっと私を見つめる。その目の中が、瞳が、くるくると、渦を、巻いて……。
精神を壊さないようにするために、一時的に精神のリミッターを外す――半覚醒状態にする術を使ったのだ。これが使われるとき、それは……すぐに、きもちよく……!

「ね♪」

チュッ☆
合図は、額へのキス。瑞々しく潤んだ唇が淫らなスタンプを軽くつける。その刺激を脳が捉えるよりも早く――オーナーは私の体を、尻尾ごとギュッと抱き締めた!
「!!!!!!!!!!」
必然的に私の全身は、ふさもふした尻尾によって強く締め付けられることになる!ただでさえさわさわしていた感触が、さらに肌に密着していく!
オーナーの熟れた陰唇が、オーナーの尻尾ごと私の淫唇をくわえ込んだ!まるで下半身でフレンチキスを行うかのように……。そしてそのまま――。

――子宮を抉るような勢いで、尻尾が一気に突き入れられた!
ずぼあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!

「――ぁぁぁぁあああああああああああああああああああああんっ♪♪♪」

オーナーの淫気に至近距離でずっと晒されて敏感になった体に、常にさわさわと愛撫され、私の快感への耐久値は限界に近かった。そこに――文字通り、'挿す'ような刺激が与えられ――私は、意識を吹き飛ばすほど盛大に逝ってしまった。
吐き出される筈だった愛液は、オーナーの膣が貪欲に吸い取っていく……。
どくん、どくん。
子宮が、物足りなそうな音をあげる。その音に気付いたのか、オーナーは私に口付けをして、そこから何かを送り込んで……。
すると、しだいにおさまって……。
だんだん、きもちよくなって……。

――――――――――――――

私とオーナーの出会いは……はっきり言って私からしたら最悪だったかもしれない。

「んふふ……♪あなた……可愛いわねぇ……♪」
「え……あ……」

普通に、森の中を夕飯となる野菜を探しに歩いていたら、目の前に見慣れない服を着た女性が立っていた。すらりと伸びた足が隙間から見える、赤い布に葉っぱをあしらった金の刺繍が入った服を着ていて、明らかに……お水の人のような雰囲気を纏っていた。
少なくとも自分とは関わる筈の無い類いの人種であると……当時の自分は思っていたのだけれど……。
呼び止められて、お水の女性の方を見てしまったのが運の尽き。吸い込まれるような瞳が(この時点でオーナーは術を使って、私を催眠状態にしたらしい)、目に入ると、私の意識が急速に遠退いていくのが分かった。ふらりと、力が入らなくなって女性の方に倒れ込む私。女性はそのまま私を抱き締めると……。

「じゃ、体、借りるわね〜♪」

なんて、意識を失う寸前に耳にして……そのまま私の中に風が通り抜けるような感覚が走って……ブラックアウト。

次に目覚めたとき。
「……ん……んぅ……え!?ひぁあっ!」
私は官能小説のテンプレート通りのふしだらな格好をしてベッドの上で仰向けに寝ていた。
胸元をはだけさせ。
袖や腕には皺が濃く刻まれていて。
下着を身に付けていない股間からは仄かに栗の花のような香り。
何より――体が何故か、暖かい?
「う……嘘……どうして……?」
これらから考えるに、確実に私が誰かと交わって居たことは確実で……でも記憶がないって……!?
「――そうだ!」
あのジパングから持ち込まれたドレスを着た女!彼女を見て……そこからの記憶が無い。確か彼女は最後に……!?
『じゃ、体、借りるわね〜♪』
「……まさか!」
もしもあの一言が本当なら……!いや、まずこの部屋を出ないと――!

……と、こんな感じで怒りのままにベッドから起き上がって部屋を出ようとすると、背後からしゅるしゅると狐の尻尾が伸びてきて、私の口を塞ぎながら全身に絡み付いてベッドの方に引き戻されて……後は皆さんの予想通り。
九尾狐の妖気――魔力を全開まで解放した件の女性――ハンス……様(様付けしたくない……)に全身を揉み擽られながら、耳の中、膣や子宮は愚か、アナルから小腸辺りにまで尻尾をずぼずぼと突っ込まれて、内壁の全てをわさわさと柔らかい毛で擦られながら、激しくピストンされたわけで……。
当然盛大にイッて、私はハンス……様に精気を渡すことになった。で、不足した精気の代わりに、ハンス……様が魔力を口から注ぎ込んだんだけど……。
少なくとも、起きた時点では私は人間だった。それは確か。尻尾もなかったし、耳は普通の人間の場所にあった。

けど、ハンス……様の、いや、九尾狐の持つ強力な魔力を注ぎ込まれた私の体は、私の体内に残留していた男の精気と精液、そしてハンス……様の魔力と結び付いて――!

「んあはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

にゅっ、と狐耳が、しゅっ、と尻尾が、どちらも私から生えてきた。生えてきた狐の尻尾は……初めから二本。
「あらぁ……ステキよぉ♪初めから二本も生えるなんてぇ……♪ランちゃん、私と相性が良いのねぇ……♪」
オーナーの声を、その時の私はどこか遠い世界の出来事のように思っていたけど……と言うより寧ろ魔力に当てられて思考力落ちていたわけではあるけれど……。もしその時理性が残っていたら、ふざけるなの一言くらいは叫んでいたかもしれない。
ううん、絶対叫んで――調教されていただろう。原型を留めないほどに。

その後さらにゲンナリした事は、私の体に憑依した理由だった。
「だぁってぇ……ランちゃん、可愛かったしぃ……元々私――ハンス=エイシアンの外出の目的が、『ニンゲン同士の交わりはどんなものかしら?』だったからねぇ♪」
絶句って、こう言うときに使う物なんだなぁ……って、よく分かった。何か、余りに悲しすぎてその時本当に泣いたからね……。
あぁ……名前を言っていないのに知られてるってことは、多分知り合いとも交わったわよね……私の純真、そして評判、さようなら……。
静かに涙を流す私を、不思議そうに眺めるハンス……様。私の体でやったことに対する自覚ゼロなのが恨めしい。
「いいじゃない♪もっと気持ちよくエッチできるようになったんだからぁ♪素敵よぉ……♪」
――というか何を言い出すのかこの狐は!良くないわよ!自覚ゼロどころか自己ルールの確信犯!?
「貴女の中にはエッチしか価値基準がないの!?」
「?それ以外に何があるのぉ?」
即答。……あぁ……何だろう、泣くことすら惨めに思えてきた……。会話が通じない……いや、常識が通じない……。……別世界の住人ですか?いや、そもそも彼女は狐ですが。と言うか私も既に人間じゃなくなってますが。
さめざめと涙を流す私を、ハンス……様が抱き締める。たわわに実った二つの乳房に埋められ、思い切り媚香を嗅がされながら……。
「悲しいときにはヤるのが一番♪」
……理論がおかしいとか思う暇もなくそのまま押し倒され、口に乳房を押し付けられて母乳を飲まされ、貝合わせの状態から尻尾を二本くらい挿入された。魔力解放を殆んど自重しないハンス……様に、何度目か分からないほどに犯されて……。魔力に当てられ朦朧とするなか、私の体はただ、与えられる刺激を気持ちいいとしか感じなくなっていた……。

その後、ハンス……様がこの温泉宿『デルフィニウム』のオーナーをやっている、と言うことを私に告げた後で、
「ねぇ……番台さんやらない?ううん、やって♪」
尻尾をゆらゆらと背中で、まるで炎のように揺らしながら私に頼むハンス……様に、私はどこか諦めの境地で、首を縦に振ることしか出来なかった。一応、断ったらどうするつもりか聞いてみたら……。
「私の事をおねぇさま、って呼ぶまで、ランちゃんの事を可愛がってあげる♪尻尾でこしょこしょしてぇ♪もふもふと包んであげてぇ♪中で心を赤ちゃんみたいにふわふわにしてぇ♪私に甘えさせてあげるわぁ♪」
やんわり脅しです。しかも恐らく愛玩動物扱いが未来として用意されているっぽいです。二択なんて、初めから成立しやしない。即座に頷いて正解だったとこの後、自分の心を慰めたのは言うまでもない。
と言うかその方法……おねぇさまどころかおかぁさまとか、ママとか呼ばせる類いの物よ!?

……と言うのが私のこの店に勤めるまでの来歴だったりする。温泉宿と言いつつ、実際は精力料理、〈九尾湯〉、媚薬媚香酒何でもござれな宴会場、一つ一つのテーマに沿った内観と器具を持つ部屋、そして滋養強壮と膨胸効果を持つ温泉と、かなり……ラブホテルだったりする。客の度が過ぎたら罰を店の娘が与えられるような弱体化の呪いもこの店一帯に掛けられているため、トラブルも安心だとオーナーは言ってはいたけど……寧ろオーナーがトラブルを起こしそうな気がするけどなぁ。
これは後で聞いた話だけど、親兄弟は愚か、私が住んでいた村全体にも、私に関する記憶は弄られているそうだ。オーナーはヤり手(あながち外れてはいない)の実業家で、高給保証で私を泊まり込みの職場に雇うことにしたと。ただし職場の場所は知らせずに。
あと、私の体と交わった記憶と噂は完璧に消去されているらしい。同時に、オーナーが私の体を使って乱交したのは、軽く百人を超えていたそうだ。当然、それだけの精気が集まれば、魔力を吸収した私は妖狐になるのも無理はなかったわけだ。それにしても……。

……純潔、色んな意味で奪われたぁ……うわぁん……。

――――――――――――――

「うふふ……可愛らしい寝顔……♪」
……ん……なに……?やさしい……こえ……?
「本当に……ランちゃんはかわいいよぉ……♪」
あ……ほっぺた……すりすりされてる……あったかくて……きもちい……。
「ふふふふふ……♪おねぇさんは可愛い娘を見ると……」
わらってる……わらってるの?うれしそう……どうして?どうして……?

「……つい食べたくなっちゃうんだ♪」

はむっ♪

「ひ……ひみゃあああああああぅあぅあぅあぅあああ!」
何!今何されてたの私!異様な感覚が今体に走ったんだけど!
「もう……びっくりしたなぁ♪」
「ビックリしたのは私ですよ!」
というより何で私はオーナーに膝枕尻尾布団されているの!?あ……それはさっきまで理性崩壊の危機を迎えて犯されてたからか……。
「なぁにぃ?ちょっと耳朶甘噛みしただけじゃなぁい……♪」
「寝ている相手にする行為じゃありませんよそれは!起きてても私にする行為じゃないですからね!」
というより……何の行為なんだろう、耳朶を噛むのって……。愛情表現?だとしたらオーナーの行為は正しくなって……あぁもう!
「えぇ〜?ランちゃん可愛いじゃなぁい♪可愛い娘は可愛がってあげたいしぃ♪」
「可愛がり方を考えてくださいよ!」
「よく言うでしょお?『カワイイは正義』って♪つまりカワイイ娘には何をしたって許されるのよぉ♪」
「あなたは悪の側ですか!?しかもそれ意味違ってますから!」
正しくは、カワイイ娘は何をしたって許される、という意味だった筈。少なくとも意味が受け身だった覚えはない。
と……ある意味いつものようにそんなやり取りをしていた私はこの日、お尻の辺りに妙な違和感を覚えた。何かむずむずしたものがそこに溜まっていて……まるで出口を探すように、ぐにぐにと蠢いている。
「ん……んぁ……んぁぁっ……」
……あ……この感じ……出そう……ううん、出る――ふぁぁっ!

シュッ!

「……あ……」
風を切るような音と共に、お尻……いや、尾てい骨から出てきたのは、ふさふさとした毛束……と言うか、尻尾。
「あらぁ♪また生えたのねぇ♪」
オーナーが嬉しそうな声をあげて尻尾を撫でる。生えたばかりの尻尾は普通のそれより敏感で……ぁんぁぁっ……愛撫を受けるだけで喘ぎ声が漏れてしま……んぁっ!
「オーナー……ふぁぁっ!握ら、握らないえぁぁっ!」
「ふふふっ♪本当に柔らかくてふさふさして……交わる相手には困らないわよぉ♪」
よりによって交わる相手ですか。これが'嫁の貰い手'なら、喜びたいけど……いや駄目だ。絶対マズイ。

九尾狐であるオーナーに犯される度に、私の中には生気と一緒にオーナーの魔力が流し込まれていく。オーナーの魔力と私の体は相性が良いらしくて、流し込まれた魔力が体の中に吸収されてしまう。そうして蓄えられた魔力が一定以上になると……こんな感じで、尻尾が増えていくのだ。
さらに……尻尾が増えるごとに、私の中で段々と性欲が増えていくのが分かる。以前二本から三本になったとき、男が通りかかる度に子宮がとくん、と疼くようになった。一体今回は、どうなるんだろう……?
「ところで……んんっ……オーナー……ひぁっ……い……今何時で……んあぁっ……」
私の声に反応して、オーナーは時計をのんびりと見た。そのまま……私の尻尾もふもふを止め……。

「……開店一時間前……まずいわ〜♪店の娘達来てるかしら〜♪」

「!?ちょっと待ってください!」
まだ洗濯物取り込んでないし、部屋のセットもまだ済んでいない!というかそろそろ点呼の時間では!?あと帳簿のセットに釣り銭の確認……あぁっ!誰か時を止めて!
「んふふ……頑張ってねぇ♪」
「オーナーも手伝ってくださいよぉ!これじゃ開店に間に合いませんよぉ!せめて点呼は最優先でお願いします!」
店の娘が揃っていれば……彼女達が思うようにセッティングしてくれる筈!そうしたら私の仕事は洗濯物の配分と釣り銭のチェックだけ
「あらあらぁ♪湯加減はややぬる目でねぇ♪」
「!!!!!!」
そうだ!温泉の水加減!さすがに源泉垂れ流しは熱すぎる!以前源泉に入ったスライムが、そのまま炎属性が付加されてしまったくらいに熱いから――早く水を入れないと!
「オォナァァ!帳簿ぉぉっ!」
「はいな♪」
私はオーナーから帳簿を引ったくるように受け取ると、服の乱れを気にせず部屋を出て、大至急番台の方に向かった。これからやる作業に残された時間は――一時間もない!
「うああああああああっ!」
狂ったように叫びながら、私は頭の中でやることの順番を立てて――まずはお湯を適温にすべく、川の水門を開くために源泉の近くへと向かうのだった……。

――――――――――――――

この大陸のどこかに、歓楽の国がある。
訪れたものが肉の宴に酔いしれ、本能のままに互いを貪る国。
だが、それを誰も咎めはしない。何故なら、貪ることこそが、その国の法なのだから――。

名も知らぬ国の中心には、毒々しくも可憐な花が咲く。
その花は、狐が種を運び、淫魔が育てた背徳の花。
名は『デルフィニウム』。
花言葉は――

――『愛欲』。

fin.




おまけ――ハンスの来歴
「そういえばオーナー」
「何かしらん♪」
「オーナーは人間のお相手……というか夫はいらっしゃらないのですか?」
「いるわよぉ〜♪」
「え゛!?ならどうして普段一緒にいらっしゃらないのですか!?」
「あらぁ♪いつもお客として来てるじゃない♪一番最初にね♪」

「……ええええええええええええええええええええええっ!よりによって近くの領主様ですかぁ!?」

「……ふふふふふっ♪この土地は、あの人が私にくれたもの……♪『ここなら好き勝手していいぞ』……ってね……♪」
「……(それって、国から単純に遠ざけられているんじゃないかな……というか、あの領主が有能なのって……そういうことだったのね……)」

fin.



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