「ん……」
何処と無く耳に残る、独特の響きを持った声が俺の耳に届いた。ぼやけた視界が映したのは、肌色と紫と桃色。それが徐々に形を持っていく……。
「……先輩……☆」
小鳥鈴音……彼女が主演のアニメーションを、俺達は何度見ただろう。聞き覚えがない筈がない。ただ……どのアニメ作品でも、こんなに熱の入った声を聞いた覚えはない。多分サキュバス補正も入っているのだろう。尤も、こんな声が入ったアニメを放映するとしたら、内容的な意味で『ごらんの有様だよ!』もしくはNice black screen.になりかねねぇのは確定的に明らかだがな。
耳障りにもならず、かといってボソボソとなるわけでもない、まるでほわほわの耳当てのような声。それが淫魔の魔力によってさらに深みと厚みを増して、頭の中を何重にもエコーハウリングしていく……。まるで音が形を持って液体のように体に染み渡っていくかのようだ……。
と、妙な違和感。それはバルサミコ酢のような、舌に当てれば明確にわかる違いではなく、どちらかと言うと鷹の爪を混ぜたオリーブオイルのような、幽かにチリチリする感覚。音楽は分からねぇが、周波数をずらした同じ音を同時に聞いたらこんな感覚になるんじゃねぇかな?
「……んふふ……☆」
普段絶対見ることがないような妖艶な笑みを浮かべる鈴音。既に微かに息は荒くなっていて、両腕は俺の両肩の上に。そして股間からはぽたり、ぽたりと桃色の愛液が垂れていて――。
よく見ると、愛液の落ちてくる場所は秘部ではなかった。秘部から突き出た……どこか無機質な何か。マイクの下側っぽい外見を持つそれは恐らく、いつぞやのイボイ棒だろう。
鈴音は俺に見せびらかすように、ゆっくりとそのイボイ棒を抜いていく。ぐぽぉ……と粘液が泡立つ音を立てて抜かれたそれは幽かに振動しており、モーターを回しているような低く鈍い音が周囲の風景に不釣り合いに響いている。……チリチリする原因はこれか。
「……んは……んん……あんっ……んはぁ☆」
カチリ、という機械的な音と共にイボイ棒の振動が止まり、ノイズの消えた純粋なエコーが俺の脳をさらに柔らかくふにゃふにゃにしていく。イボイ棒が抜かれたばかりの生マ〇コは、俺の視線が注がれているからなのか、やわやわと誘い込むように震え、蠢いている。
肉襞はその柔らかさを伝えるかのように深い皺を刻み、まるで蛞蝓が何匹ものたうつかのように互いに寄り添っていた。やがて、声のエコーにぐちゅぐちゅという淫らな水音が混ざり始めた頃――!
「――えいっ★」
ぐちゅっ!
「!!!!!!!!!!」
俺の口は何か柔らかい、何処かぬるぬるしたものに触れていた――それが鈴音の秘部だと気付いたときには、顔全体がそこに押し込まれていた!
視界全体に広がる、桃色の瑞々しい肉景色。髪の毛の後ろ辺りはまだ土と樹が見られたが、それもぐじゅるぐじゅると言う何とも形容しがたい擬音語と共に桃色に染まっていく。
「んんっ……あんっ……もっと奥に……奥にぃ……っ☆」
肩口に鈴音の陰唇が触れた瞬間、さらに大口を拡げたように入り口が拡張され、上腕辺りまで一気に呑み込まれた。そのまま、まるで蛞蝓が這い進むように、彼女の膣肉が俺を呑み込んでいく……。
始めは驚いたが、これが何か解ってしまえば、最早抵抗する気も起きなかった。そもそも慌てたところで、俺はもう鈴音からは離れられねぇ。目覚めたときには既に、俺への魅了は完成していたと言っても過言ではねぇだろう。
「んあぁっ☆★先輩……っ☆★先輩っ……っ☆★」
鈴音は俺が中に入っていくのが堪らなく嬉しいらしい。ぬらぬらとした独特の潤滑性を誇る愛液と、やわやわとした熟れた果実のような柔らかさを誇る膣肉、そこに覆われている場所を推測するに、もう腕は呑み終え、腰回りまで呑み込まれたようだ。歯の無い口で咀嚼するように、俺の体に熱烈なハグを交わすその膣肉は、激しくその身をうねらせ膨らませ、ときに緩めながら、俺の体を確実に絡めとり、奥へ奥へと運んでいく……。
この状態で俺が動いてハイ脱出!なんて行為は不可能だ。何だかんだ言って、天頂部と、肉に覆われていない場所以外はみっちり締め付けてきている。動いたときは確実に、このひたすらに柔らかい肉の舌によって舐め擽られてしまうだろう。唾液がわりに愛液をまぶされ、月並みな表現だがまるで全身が陰茎に変化してしまったかのようだ。
ぐにゅぐにゅ、ぐむぐむと隙間無く揉み上げていく鈴音の膣肉。一体今こいつの腹はどれ程膨れているのだろうか。足の何処か冷たい感覚が、辛うじて踝より先だけが外に出ている箇所だと俺に伝えてきているが……。
ぐにゅぶっ、と鈍い音を立て、俺の体はさらに奥へと招かれる。同時に、両足に暖かい粘液――愛液がまぶされているのが感触的に伝わった。キュッ、と何かが締まるような音から、どうやら俺は全身を、俺より小さい筈の'小鳥'の、肉の鳥籠に捕らえられてしまったらしい。いくら鈴音の淫魔の体が人知を超えているとはいえ、これでよく体が壊れずに済むものだ……俺の妙に冷静な部分は告げる。
だが、先に述べたように抵抗は不可能だ。もし体を動かそうものなら、その力が全て奥へと体を進ませる原動力に変わってしまう。ぬらぬらと滑る鈴音の愛液は、膣の動きに合わせてのみ抜群の粘着性をを発揮して、俺を深く深くへと滑り落としていく……。
「!?」
俺の全身を呑み終え、多少奥へと招かれたところで、俺を包む襞の動きが明らかに変化した!先程までの動きは、明らかに俺を体の中に引きずり込むことを中心とした、やや強引な動きだった。抵抗を無効化し、送り込むだけのある種機械的なもので、与えられていたのは必要最低限の快感だけ。絶頂からも程遠い、体の力をただ抜くためだけのもの。だが、今の鈴音の動きは――明らかに、俺を気持ちよくさせ、じっくり味わおうとするかのような動きだった!
襞のうち何本かが触手に変化し、俺の体全体にその身を沿わせ、体のラインに沿って人体では不可能な愛撫を行ってくる!俺の全身に塗りつけられた愛液を潤滑剤にして、爪の先から髪の先まで、柔らかな舌で舐め擽るように擦りよっている!
「――ひぃっ!ふ、ふんむっっっ!」
背筋に走る電撃に、俺は思わず女のように喘いでしまう。だがその口に、触手が一気に叩き込まれる!ビッグマックもかくもやらと言う大きさで口を塞ぐ触手は、肉襞の柔らかい感触はそのままに先端に生えた細かい触手らしき物を俺の口の中で蠢かせ……口の中を洗いながら奥へ奥へと進んでいく!
同時に細い管も鼻から通され、胸の辺りに先端が貼り付いて広がった!普通触れられるはずもねぇ場所、しかも物が入ったらせき込む地点が完全に塞がれ、一瞬苦しくなった俺は、せき込みそうになるが――それを既に食道入り口まで差し掛かった太い触手が防ぐ!
「んんんっ――んんんっ!?」
鼻から入った触手は、俺の代わりに体に空気を送り込み、戻ってきた空気を吸い込んでいる。完全に、俺の代わりに呼吸を行っている……。気付けば、触手の先端と、俺の体が……繋がっている――!?
ごぽり、と俺の口を塞ぐ触手が膨張し、俺の口をさらに押し広げる。ゴムよりも弾力性と柔軟性のあるそれの中を通っていく何かは、そのまま――先端から一気に解き放たれた!
「――んんんんんんっんっんんんっんんんんんんんっ!!!!!」
俺の食道に、まるで口の細いホースから放たれたような勢いで大量の液体が叩きつけられた!どこぞの水圧掃除機のように俺の内壁に放たれた、どこか生暖かい熱を持つそれは食道に沿うように螺旋を描いて胃の中へと急速落下していく!肺へのルートを防いでいたのは、これが原因か!
「んんんんっんっんんんんんん!!!!!!」
ああ……俺の内側が、猛烈な勢いで削られ、押し出され、流されている感じ……。しかも、触手は段々と伸びながら胃にまで迫って……う……気持ち悪……!
ぐごぽっ、と俺の腹の中で音がする!同時に食道を占拠する触手の一部が膨らんで、俺の口の方に何かを運び始めた!ぴとぴとと、俺の腹の中で何かが内側から幽かに突き上げるように触れて……胃液を……吐き出さないように吸い取っているのか……?
もはや俺の体の中で一体何がどうなっているのかが分からない。ただ一つ確かなことは、それが俺の体のあちこちの器官の役割を代わりに行い、あるいは奪っていることだ。まるで、俺を依存させようとしているかのように……!
「んんんんんっ!んむんんんっ!んんんんんんんっ!」
何の予兆もなく、突然俺の肛門に謎の刺激が与えられた!ぴとり、ぴとりと何かを確かめるように菊門の周辺に触れたかと思うと、愛液を塗り込むようにぐりぐりと穴に向かって突き入れてくる!
物を出す場所の筈の股間に、執拗なまでに接触を繰り返す触手に、俺は狭い空間の中で身悶え続ける……!その間に空間を満たす愛液が何重にも何重にも塗り込められ、俺の体を愛液でしみしみにしていく……!
鼻から繋がれた管で呼吸は全く苦しくないが、与えられ続ける非常にもどかしい刺激に、俺の脳はギブアップを唱えたがっていやがる……!
すりすり、しゅるしゅると、尻のラインに沿って体を走らせる触手。それはまるで、俺の尻穴の表面の汚れをこそぎ落としているようで……っっ!
ぐちゅ――ずじゅるっっ!
「!!っ!!んんんんんんっっっ!」
突然、俺の尻穴を擦る触手の先端がくちゅりと花開いて、俺の尻穴のラインに沿って貼り付いた!そのまま、開いた触手の中から現れた管が、俺の直腸に密着するように差し入れられる!
同時に、胃にまで到達した管が、俺の目の前で大きく膨れる!そのまま俺の顎を広げ、喉を押し開いて――ぶしゅううううううっ!
「!!!!!――!!!!!」
再び、俺の体を内側から洗い流すような、猛烈な勢いの液体が俺の中に叩き込まれる!まるでタイダルウェイブのように俺の胃をなみなみと満たし、圧倒的な質量を持ちながら腸へと叩き込まれる!
ぐるぐる、ぎゅるぎゅると鳴り出す腹に、俺は一抹の不安を覚えたが、それ以上に暴れ狂う液体が俺の胃を圧し擦り、腸を剃るように駆ける刺激に、痛みにも似た刺激を受け、ただただ悶えていた。
その間に、俺の肛門に陣取る触手は、まるで肺のそれのように表面をしっかり付着させ、まるで俺の尻から触手が生えたような状態にまでなっていた……まさか……まさか!
「んんんんんんんんんんんっ!!!!!!」
ごぼっぶしゅっごっぽっごぽんごぼぼぼ……。俺の腹に向けて、次々と謎の液体は流されていく!胃には流し終えたのか、ついに腸に向けて直に流し始めた!
前に流されたものの勢いを増加させるかのように、猛烈な勢いと量の液体を、俺に向けて流し込んでいく。既に先発隊は、俺の中に溜まっていた物を巻き込み、押し出しながら身長よりも長い通り道を激走していく!
それに合わせるように、肛門の触手も括約筋を刺激し――穴を押し広げた!触手の中に含まれた生暖かい気体が、俺の出口の中に吹きかけられた。
「んんんんんんんんんんんんんんんんっっっ!!!!!」
まるで嵐の直前のように唸り続ける腹は、嵐を引き起こす原因を対外に排出させようと蠕動を繰り返している!それが動きを加速させ――!
――ごるぷっっ!ごぷぅっっ!ごぷっっ!ごっぷっっ!ごぷんっっ!ごっ……ぷっ……!
「――!!!!――!!――!!――!!!――!!!――」――本当に強い衝撃が来ると、叫び声すら出なくなるらしい……。
ぐるるん、ぐるるんとエンジンの空吹かしのような音を立てながら、俺の腹は中に含まれた物体を、ひたすら送り出している。
そして、肛門に陣取った触手が、まるでバキュームのように、俺の中に詰まっていたそれ事、液体を猛烈な勢いで吸い込み、吸い出している……。
ごぷんっ……ぶしゅううううっ!
「――!!!――!!!!――!!――」
まだ足りないのか、口からは再び液体が激しく注がれ、体の中全てを洗い流そうとしている……。
ごぷっ……ごぷぅぅっっ……。
それを……勢いよく吸い込んで……。
いつの間にか股間のコックにも触手が吸い付いて……吐き出させようときゅっ、きゅっと優しく締め付け……。
「――………――……」
ぷしゅううううう……きゅぽっ……きゅ……ぽん……。
尿道に突き刺さるような勢いで放たれた生暖かい液体が、コックに吸い付いた触手に、猛烈な勢いで吸い取られていく。ひとかけらも残さないように、棹や裏筋、カリの部分や亀頭に絡み付き、ぎゅぽっぎゅっぽっ、と搾られていく度に、敏感になっている俺の体はガクガクと震え、体を貫く触手に内壁を擦らせ、その刺激でさらに見悶えるままに体に溜まった液体を触手に向けて放ち続ける……。
ぐぽっ……ぶしゅぅぅっ……ぐぽぽっ……きゅぽんっ……きゅぽん……。
吸われて……吐き出されて……流し込まれて……吸われて……吸い取られて……。
その間にも全身に絡まった触手は俺の体のあちこちを丁寧に……綺麗にしていく。
そう……この一連の行為は、俺の体を外も内も、全て一切合切綺麗にするための物だった。液体で内側のモノを全て洗い流し、愛液と触手で皮膚を全て擽り洗っていく……。
……だが……何のために……?それの結論が出ないまま……。
くぽん……きゅぽん……どくどくどくっ……ぷしゅ……ごぷん……。
……俺は、意識を失った。
……どくん……どくん……
……どこか重く、湿っぽい、けれど力強い音が、俺の周りで響いている……。全身を覆う感覚は、どこかぬめぬめとして生暖かい。それは俯せに寝ている俺の腕から、膨らんだり萎んだりを繰り返す空気布団のような地面に垂れ落ちている。
嗅覚はどこか微かに酸味のする甘い香りを俺の中に取り込んでいく。それは味覚も同様であった。
そして視覚は――!
目を醒ました時、俺は明らかに、全体がゆっくりと膨張と収縮を繰り返すように蠢く肉壁に覆われている空間にいた。
不思議なことに、全身は何か重たく柔らかい液体に覆われていたにも関わらず、息苦しさを感じることもなく、寧ろ外にいるよりもどこか心地好い……。
このまま漂っていたら、俺が溶けて、崩れて、また新たな俺として再生してしまうかもしれない。与太話も良いところの妄想だが、本能的に俺はそう感じていた。
「……ん……」
そんな俺をつなぎ止めるように、俺の臍からは澄んだ肌色をした何かが飛び出て、肉壁の中に根を張っていた……逆か。肉壁から伸びた何かが、俺の臍に入っているのか……。
ごぽり、と濁った音が響いた。同時に、俺の全身から何故か力が抜ける。とぅちゃ、と音を立てて、俺の全身はさらに、周りを覆う肉壁の中に倒れ込む。
臍に繋がった管が、先の触手のようにぶぐん、と俺に何か液体を送り込んでいくようだ……。
とくん……とくん……と、まるで心臓の音のようにゆっくりと、それは温かな液体を流し込んでいく……。俺の中に入った液体は、そのまま俺の全身に、優しく暖かい熱を届けている……。
満たされていく……。ただ、兎に角満たされていく。俺の体を受け止める肉の感触が、俺の体に塗られた粘液の優しさが、そして俺の中に流し込まれていく液体の熱が、俺の心も、体も、全てをふわふわにしていく……。
『――先輩……☆』
「……?」
ふと、頭に直に語りかけるように誰かの声が響いた。何処かで聴いた事あるような、'いつもきいていたような'声だ。優しく、柔らかい、独特な声……。
『……私の中……気持ちいいですかぁ……☆』
気持ちいいか、と訊かれたら、'あたたかくてきもちいい'と答えるしかない。'だって、ほんとうにきもちいい'から。
『……よかったぁ……☆ふふ……☆☆』
すりすりと、外側から撫でられている感じがする。それが俺の周りの肉を、ふらふらと揺らしている。'なんだか、しあわせ……'。
いつの間にか、俺が居る場所は、肉の色を薄めたような液体が満ちるようになっていた。このまま動けずにいたら、俺は多分溺れてしまうかもしれない。'でもそんなことはない'。
『先輩……私……私はぁ……先輩に頼って欲しかったんです……☆』
ぐぷり、ぐぷりと俺の体は暖かくて重たい液体に呑まれていく。満ちていく液体は、仄かに暖かく、'まるでやわらかいもうふにつつまれているようだった'。
『私はですねぇ……先輩……ずっと……ずっとこの姿だったんです……。
生まれつき小さくて……親の遺伝で童顔で……それでも可愛いって程じゃなくて……』
そんな事ない、と、何故か俺は叫びたかった。けど……俺の体を包む重たい液体は、既に俺の口元を覆い、鼻にすら届こうとしていた。
……だが、俺の思いが届いたのか、『声』は、柔らかい色を出しながら続ける。同時に、再び周りの肉がふるふると揺れ、俺の顔に重い液体がかかった。
『ふふ……、先輩は、とぉっても優しいですね……☆なでなで……☆』
彼女が撫でる度に、俺の周りを満たす液体はまるで不定形の蛇のように俺の体に絡み、弾力のある鱗でくにくにと愛撫してくる……!
そのくすぐったさに開けた口に、待っていたかのように大量の液体が流れ込んでは、俺の体の中を満たしていく……。
肺に入った筈なのに、息苦しさも、むせかえる感じもない……E.V.A.のアレのような感じなんだろうか……。'むずむずする……'。
『……そんな私に……大学で初めて……初めてちゃんと声を掛けてくれたのが……先輩だったんです……☆
「君が小鳥さん?早速だけど頼みがあるんだ……」って……☆
あの時、初めて私を「さん」付けで呼んで……しかも、頼ってもらえるなんて……☆』
どくん……どくん……。
胃も、腸も、液体は全く吸収されずに俺の中をひたひたに満たしていく……'だんだん、からだがひろがっているみたい……'。
とくん……とくん……。
少しずつ、俺の体がゆっくりと液体の中に浮かび上がっていく……。動けないはずの俺の体は、自然と、ゆっくりと体を丸めていく……'ふわふわ……やさしくて……あたたかくて……'。
『先輩……私、チビで暗くて影が薄かったから、誰かに頼られることが無くって……☆だから……本当に嬉しかったんですよ……☆
だから……だから先輩には、私をずっと……ずっと……ずぅっと頼りにして欲しい……☆』
……段々と、聞こえる音もぼやけてきた……。肌の感覚も、どこか……'ぽわぽわして……きもちいい……'。
とくん……とくん……。
'……とくん、とくんって……ぼくのなかにあったかいのがながれてくる……。それだけで……あまくて……おいしくて……しあわせ……'。
『そう……頼りに……私を……私だけを頼りに……☆私に甘えて……私も甘えて……☆二人で……何処までも幸せに……幸せになりましょう……ね……☆』
どくん……とくん……。
……頭が……重……い……。から……だ……も……。
どくん……ど……く……。
……ふ……ぁ……ぁぁ……。い……し……きが……ふわ……ふわ……。
とく……とく……とくっ………
'……ねむく、なっちゃった……ふぁ、ぁ、ぁ……'。
'……お……や……す…………み…………な……………さ……………………い……………………'。
☆★☆★あふたーわーず☆★☆★
「いぁはぁあああああんっ☆★☆★」
いいよぉっ★このパトスぅ☆かいかんがぁっ☆★き、きも、ンギモヂイイィィィィィィィィィッ☆★☆★あ、あた、あたしもイッちゃうぅぅぅぅぅぅっ☆★☆★☆★
んあはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっっっ☆★☆★☆★☆★☆★
……はぅ……はぅ……はぅ……☆
はぅぅ……すてきだよぉ……☆みんなすてきだよぉ……☆★はぅぁぅぁぅぁ……☆★……ぅぁ……☆★
………☆
うふふっ★おねえちゃんも……おにいちゃんだった娘も……お幸せに☆★
じゃあ……★
「とぅいんくる★たんくる☆とりっくすたあ★二人以外は元通りになぁ〜れっ☆」
☆★☆★☆★ちょっと未来★☆★☆★☆
私が先輩を『受け入れた』あの日以降、周りのみんなは先輩のことを忘れてしまったようでした。
先輩の所属していた国際娯楽クラブの皆さんも……出席を口答で確認させる教授さんも……先輩のクラスの委員長さんも……私の幼なじみで先輩の親友だった某先輩も……みんな、みんな、初めから先輩なんて居なかったように振る舞っていました。
もしかしたら、私が願ってしまったから、こんな世界になってしまったのかもしれません。先輩に、私だけを頼って、私と二人で幸せになろうって、そんな風に願ってしまったから、先輩が他の人を頼れないように、他の人達の記憶を消してしまったのかもしれません。
「……ふふっ★」
……でも……私にとってそれは、これ以上ないほどの幸運でした。
理由……ですか?……ふふっ☆
だって……☆
……'先輩'を、私だけの娘に育てて、私をずっと頼って、甘えて、愛して、愛されて、愛し合うように育てることが出来るんですもの……★
私は源氏、貴女は紫……ふふっ☆ふふふふふっ★ふふふふふふふふふふふっ☆
「ずっとずっと、愛し合いましょう……先輩……ううん、アイちゃん☆★」
人間よりもゆっくりと、サキュバスの赤ん坊は育っていきます。アイが産まれる頃には、私は大学を卒業しているでしょう……☆
そしたら……ね★
☆★☆★いんざすかい★☆★☆
「ィィィィィィィイイイイイイイイヤッホォォォォォォオオオオ☆☆☆」
さいこうにハイってやつだよぉっ☆☆親子成立いたしましたぁっ★★ついでに美味しくいただいたよぉっ☆★☆★
はふん……★☆(味の余韻に浸っている)
はふん……☆★(まだ浸っている)
……はっ☆
さぁてっ☆次の子はどんな子かなぁ〜★今から楽しみだなぁ☆
キラッ☆と星間飛行で……ィィィィィィィイイイイイイイイヤッホォォォォォォオオオオ☆☆☆
【第一話:HER NAME IS 'METER'!】
fin.
See You Later!
☆★☆★じかいよこく!★☆★☆
ィィィィィィィイイイイイイイイヤッホォォォォォォオオオオ☆☆☆
早速幸せをあげたあたしにとどく願い☆それはおさななじみを純粋に想う少年の……★
よ〜しっ☆★あたし、頑張るからね〜っ☆
次回、
【魔法淫魔少女ミーティ第二話:I MISS YOU SO LONG!】
とぅいんくる☆とぅいんうる★すたーらいと
見ないとミーティアフォーレンをお見舞いだぁっ☆★☆