「……ん……?」
何処と無く聞き覚えのあるような、それでいて何処か少し――いや、決定的に何か違ってしまっているような声が、俺の耳に響いた。その声に導かれるように、ゆっくりと目を開く俺――。
「……解堂……」
ぼやけたままの視界でも、目の前にいる人物を特定するのは、『青空』が聞こえて涙するくらい当然の事だった。寧ろ――今俺の事を解堂と呼び捨てで呼ぶのは一人しかいねぇ。
「某……」
某権米……だったものが、俺を押し倒したような体勢で目の前に存在した。光の加減で茶色にも見えていた髪は今や本当に茶色に変化し、瞳の色はダークスカーレット、人間よりも遥かに綺麗で光沢のあって、思わず触ってみたくなる肌、蠱惑的な模様を体に描く紺色の体毛……。そして、俺の体を包み込んでしまうほど大きな蝙蝠のような紺色の羽根に、しゅるりとしなやかに動くこれまた紺色の尻尾……。どこからどう見ても、一人の立派なサキュバスだった。
「……解堂……君を迎えに来たよ☆」
大きな羽根をゆっくりとはためかせる某。何処か桃色の、桃を思わせるような香りが俺の体に纏まり付くように吹き掛けられる。それだけで俺の逸物は突き抜けるレベルでそそり立って来るのが、感覚的によく分かった。だがそれと同時に、普段の×起では感じえないような独特な感覚もまた、俺の中で沸き起こっていた。
「……な……ん……?」
体が……意識を残したまま全身に麻酔をかけられたように、段々とぼやけていく……。痺れるのとは何処か違う。まるで抜けていくような……それも、砂の城が風に飛ばされていくように、少しずつ、少しずつ削り取られていくような……。
「……ふふっ☆解堂……気持ちいい……?」
某はそう俺に、熱りきってふやけた笑みを向ける。その笑みは、俺の心の太鼓を知らず打ち鳴らしていた。
続けて、もう一度。叩かれた場所から、少しずつ精神が……変わっていく。徐々に自分自身が磨り減っていく様が――どこか快感に感じられるように……。
「………」
辛うじて動かすことの出来た頭で、こくん、と頷くおれに、某は心の底から嬉しそうな笑みを浮かべた。まるで、自分の望んでいた通りの状態になった……と。
「……ふふふっ……☆体に淫気が少しずつ貯まってきて……★」
某の言葉は、今のおれの頭ではすべて平仮名の、さして意味の無い言葉の羅列のように感じられ――!
「……んんっ……!」
ぼんやりと開いていた口を塞ぐように、某が唇を合わせてきた。そのまま、唾液にまみれた舌を中に差し入れて、絡ませてくる……。
「んんっ……☆くちゅ……★んむゅ……☆みゅ……★」
某の唾液は、桃色の香りと同じように甘美で、水の中に砂糖を入れるようにふんわりと体の中に染み渡っていく……。同時に、おれの体の感覚はさらに鈍っていく……。
とろとろ、にゅむにゅむと、おれの中に甘い唾液を送り込んでいく某。その顔は……近すぎて見えない。寧ろ目を瞑っていて見えない。だが多分、心の底から幸せそうな顔をしているんだろう。時々耳に入る声の感覚からも、それがよく感じられる。
「……ぷはん……☆」
ようやく某が口を離した時、おれの全身は既にピクリとも動かせなくなっていた。ただ……体への刺激には反応するらしく、捲られたシャツに入れてくる手のさわさわとした感触に、体はびくん、びくんと顕著に反応している。体の感度自体は上がっているらしい。
「……ふふっ……☆」
「………?」
唇同士が引き合う唾液の糸。それを手繰り寄せるように指に絡ませていく某は、そのまま尻尾を俺の目の前に近付けていって――先端をくぱぁ、と開いた。肉の花、という例えが適当であると思うこの物体は、本来雌しべがあると思われる中心がまるでオナホールのように空洞で、尚且つ紫色とピンク色が混ざり合ったような毒々しい色の液体が湧き出していた。
ほわぁ……と、先程羽根が発していた香りを更に煮詰めたような香りが俺の鼻孔から一気に全身へと伝播していく……。そのまま尻尾の先端は、分泌される花蜜をおれの口へと垂らしていった……。
「………」
不思議と、気管支に詰まるなどといった事は起こらなかった。粘度の高い蜜は、口の中に入ると食道に沿って、気管支や気管を避けてお腹の中に入っているようだった。そのまま……あらゆる皮膚や内臓、神経全てにまで液体に浸されていって……?
びゅくん、びゅくんと、おれの逸物は既に射精の戦慄きを何度も繰り返している。だが出る気配もなく、我慢汁らしきものが溢れ出ているだけだ。らしきもの……それが透明であればそんな言葉は必要なかっただろう。そう表現したのは、その我慢汁が――どす黒かったからだ。明度ゼロの黒さ。一体体の何処にそんな色素があったんだと疑問を抱きたくなるほどに真っ黒な粘液が、おれの中から抜け出していく……だが、それにすら違和感も、恐怖すら感じない自分がいた。ただ、何かが抜け落ちていくような感覚だけ……。
「ふふふ……解堂、今のキミ、とっても良い顔してるよ……☆」
紫とピンクの液体を飲ますのを止めた某は、仰向けに寝転がったまま黒い液を逸物から垂らすおれに股がった。お洒落で付けていた女物のパンティに、逸物を隠すために着ていた紐パンツすら既に脱ぎ捨てられた奴の股間。そこには男の象徴である太く固い物体は跡形もなく消え、ふわふわした紺色の体毛が隠す一本の筋があった。
くちゃ……と音を立てて、筋が左右に開いていく。綺麗な桃色をした肉壁は、奥底から湧き出てくる桃色の愛液によってぬめぬめと艶かしく光り、まるでおれを誘っているかのようにぐのんぐのんと蠢いている。
「その幸せしか感じられない、まるで何も知らない赤子が浮かべるような忘我の表情……☆」

徐々に降ろされていく腰を前に、おれが感じていたのは――確かな歓喜だった。
某と――彼女と一緒になれること。その瞬間を考えるだけで心は震え、逸物は盛大に膨れ上がり、黒い先走りが次々に湧き出していく。
「壊れたわけでも、演技しているわけでもなくて、素直にボクを受け入れてくれる……普段の君も好きだけど……ボクは……☆」
某の尻尾が、彼女の背中でしゅるしゅると蠢いたと思うと、彼女のお尻の線をなぞるように進んで――おれの逸物の下の方まで一気に伸びてきた。
そして――!

ずぽぼぉっ★☆★

「!!!!!!!!!!!!」
「んはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ☆★☆★☆★☆」
二つの衝撃。脳が捉えたのは同時だった。体の方は――反応を示したのは反り立つ肉の塔が一番早かった。
某の膣が、おれのバベルの塔に安息の優しさをもって覆い被さった瞬間、先端が蕾のように膨らんでいた彼女の尻尾がおれのアナルを貫いたのだ。そのまま膣は首長亀への愛撫を繰り返し、尻尾は腸内でうねりながらおれの体内を逆行している。
既に彼女の発する淫気と、淫魔の唾液と愛蜜を吸収していたおれの体は、体外は愚か体内までも感度が格段に上がっていて、触れられているだけでも体をびくびくと震わせてしまう。徐々に自分の精嚢に精液が蓄えられていくのが、自分でも理解できた。けれど……同時に体の中、いや、わたしの中から何かが抜き出されて押し込められているような、そんな気さえした。自分が自分でなくなっていくような感覚に、わたしはほんの少し、恐怖を覚えた……が――!
「――!!――!!」
わたしは声にならない叫びを上げていた。お腹の中で彼女の尻尾がのたうち回ったのだ。既に胃にまで到達したらしいそれは、胃液にも焼かれることなくその花を広げ、胃の出口にぴったりと張り付いた。その接着面の感覚すら、わたしにはスタンガンを当てられたような刺激を受け続けているように感じられた。
そして――、

「……んはぁぁっ★さぁっ……出してぇっ★ボクの中にキミを出してぇぇっ☆そしたらボクがキミをあげるからぁぁぁぁぁぁぁっ☆」

彼女の感極まった声と同時に、肌色の虚塔は柔らかな肉のヴェールによって熱烈な抱擁を受けて――!

びゅ、びゅるるるどぶどぶぶぶしゃああああああああああああっ……どくん……どくん……どくん……。

「――!!!!!!!!!!!!☆」
一滴、精の一滴。ただそれが彼女の中に発射された瞬間、塞き止められたものが一気に雪崩れ込んできた。まるで天国を目指すがごとく、彼女の膣を目指して大量に流れ込む精液。精巣そのものも精液となって流れ込んでいるのではと思うほどに、その射精は激しく、また量も多かった。
解き放った快感に、わたしのからだはおおきくふるえ、こころは……。あぁもぅ、何も考えられない……ただ、しあわせだった。
交われて、しあわせだった。

「あはぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ☆★☆★」
どくどくどくどくんどくんどくんどくんどくん……とくん……とくん……
彼女も、しあわせみたいだった。しあわせのしるしが、あったかいものが、わたしのおなかのなかにとくとくと送られてくる……。おなかが……ふくらんでる……でも苦しくない……。
「……はぁっ☆……はぁっ☆……ぁっ☆……ふふふ……★」
彼女は、わたしのまんまるおなかに何かゆびでかいてる……くすぐったくて、またびゅるびゅるとだしちゃう……。
くしゅくしゅ……さわさわ……しゅゆしゅゆ……
はぅぁ……くすぐったぃ……けど……きもちい……。
きもちぃよぉ……。
からっぽになったこころが、ぽっかぽかになっていくよぉ……。
あぁ………ん☆

「ふふふ……もうすぐだね☆」
……あれ、せなかが……もぞもぞしてる……。あったかくて……でもなんかへんなきもちで……?
あれ?おしりのうえも……くしゅくしゅしてるみたいで……あんっ☆

ぷぴゅん★

「……ふふっ……おめでとう☆」
えっと……うんと……きれいなひとがわたしにわらってくれている……。おとがして、なにかがつきぬけて……わっ☆
ばふっ
「……これから、ずっと一緒にいようね……★」
ずっと……いっしょ……?いいの……?
あれれ……めが……くらくなってきちゃ……。

☆★☆★あふたーわーず☆★☆★

「いぁはぁあああああんっ☆★☆★」
いいよぉっ★このパトスぅ☆かいかんがぁっ☆★き、きも、ンギモヂイイィィィィィィィィィッ☆★☆★あ、あた、あたしもイッちゃうぅぅぅぅぅぅっ☆★☆★☆★
んあはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっっっ☆★☆★☆★☆★☆★

……はぅ……はぅ……はぅ……☆
はぅぅ……すてきだよぉ……☆みんなすてきだよぉ……☆★はぅぁぅぁぅぁ……☆★……ぅぁ……☆★

………☆
うふふっ★おにいちゃんだったおねえちゃん達……お幸せに☆★
じゃあ……★

「とぅいんくる★たんくる☆とりっくすたあ★二人以外は元通りになぁ〜れっ☆」

☆★☆★☆★ちょっと未来★☆★☆★☆

「はぁんっ☆突いてぇっ★ボクを奥から深く深く深く貫いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ☆」

「御姉様ぁっ☆だしちゃいましゅぅっ★わたしのやらしい液御姉様の中にびゅくびゅくと出しちゃいましゅうううううううううううっ★んはああああああああああああああああああんっ☆」
淫魔達の住む魔界の、その片隅にある一軒屋、それが今の私達が住む場所だ。住んでいるのは私と……コン御姉様。
私が物心ついたときから、御姉様はずっと私の側にいてくれた。時々スキンシップ名目で激しく襲われちゃうけど、もちろん性的な意味で襲われちゃうけど、それ以外ではとっても優しくて、可愛くて、綺麗で――素敵なの。
だから、私も御姉様の事が大好き。抱き合ったまま二人融け合っても良いって思えるもん。御姉様も、私の事が大好きだって言ってくれてたから。

……そう言えば、御姉様が以前漏らしていた、『ハリマカイドウ』っていうニンゲンの話なんだけど、どうも、御姉様が大切に思っていたみたい。今は何処に行ったか知らないみたいなんだけど……。
御姉様の中には、今もそのニンゲンがいる。私はそれにどこか嫉妬を覚えていた。御姉様が思ってくれているのに、どうしてどこかに消えちゃったんだろう……って。
だから――☆

「御姉様あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ☆★」

今度は私が御姉様満たしてあげるんだ。いつか、御姉様がそのニンゲンの事を思い出せなくなるくらいに……ずっとずぅっと、愛してあげるよっ☆★
愛しの愛しの……御姉様☆★

☆★☆★いんざすかい★☆★☆

「ィィィィィィィイイイイイイイイヤッホォォォォォォオオオオ☆☆☆」
さいこうにハイってやつだよぉっ☆☆カップル成立いたしましたぁっ★★ついでに美味しくいただいたよぉっ☆★☆★
はふん……★☆(味の余韻に浸っている)

はふん……☆★(まだ浸っている)

……はっ☆
さぁてっ☆次の子はどんな子かなぁ〜★今から楽しみだなぁ☆
キラッ☆と星間飛行で……ィィィィィィィイイイイイイイイヤッホォォォォォォオオオオ☆☆☆

【第一話:HER NAME IS 'METER'!】

fin.

See You Later!

☆★☆★じかいよこく!★☆★☆

ィィィィィィィイイイイイイイイヤッホォォォォォォオオオオ☆☆☆
早速幸せをあげたあたしにとどく願い☆それはおさななじみを純粋に想う少年の……★

よ〜しっ☆★あたし、頑張るからね〜っ☆

次回、
【魔法淫魔少女ミーティ第二話:I MISS YOU SO LONG!】
とぅいんくる☆すたーらいと★

見ないとミーティアフォーレンをお見舞いだぁっ☆★

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