『フェンリル、散歩に連れて行かれる』





「さ、いこっか」
っつぅ〜〜〜、何度もやってることだが、何っつー屈辱的な姿だ!ロキのヤローにはぜってぇ見られたくねぇっ!
首輪をつけられ、鎖で繋がれてそこらのワンちゃんよろしく仲良くお散歩だぁ?っかぁ〜〜っ!首が苦しい感覚的に鬱陶しい自分で外せない封印の中にいるようなもどかしさっ!寧ろこれが封印っ!?
レイっ!レイっ!首輪を外してくれっ!
「ん〜?リル、なに〜」
その呼び方はやめろっつったろ!………じゃねぇ。首輪を外してくれっ!
「だめだよぉ」
なんでだよっ!俺が周りの奴を襲うと思うのか!?
「ちがうよぅ。あのね、もしはずしてあるいてたら、レイがおかぁさんにガーって」
自分のためかよっ!んな事知るかっ!外せ〜っ!
「あぁぁぁあとね、はずしてあるいてるとね、だれかがね、リルの×××××を☆★△■▲▽●◎◇◆〒※∋□●」
あああああああああああああああああああああっ!んな幼児が吐いちゃいけねぇ言葉をこんな公衆の面前で吐くな騒ぐな怒鳴るな一先ず黙って口を閉じてくれっ!…………しかも泣いてるし………。
「………っく、そんなことかんがえるとね、リルがね、………ぇくっ、いたいいたいっていってるのがね、レイもいたいの………ぃくっ」
あ〜あ〜分かった分かったつけときゃいいんだろつけときゃ。俺としても、そんな空前絶後かつ前代未聞の凌辱行為、されたかねぇしな。
「…………ひくっ、ホントに?」
ああホントだよ、だから突然泣いたりあんな口にするだけで体がおかしくなりそうな事を吐いたり、そもそも町中で声に出して俺と話すのを止めてくれ。周りがじろじろ見てる。
「…っ…えっ?どうしてはなしちゃいけないの……っ…?」
………追々話すさ。
「……ね〜ぇ、どおしてぇ?」
家についてから話すっ!だからそんなデカイ声で話すなっ!
「!!!!っ!!!!」
あ…………やば…………。
「ふええええええええええええええええんっっっっ!」
あ〜も〜だからガキはめんどいっ!すぐ泣くすぐ喜ぶすぐ怒るすぐ泣く疑問尽きねぇすぐ泣くどこまでも聞く人の話しは聞かねぇすぐ泣くっ!
こんなとき他の奴だったら………。





『なきやまないと、たべちゃうぞ〜』





………駄目だ。ヨルムンガルドの奴は参考にならねぇ。マジで食いそうだからな。





『………っさいわねこのジャリガキ!さっさと泣き止みなさい!じゃないと(ry)』





………あ〜〜〜ったくっ!ヘルもまともな性格してやがらねぇっ!(ry)以降の台詞はガキに聞かせるもんじゃねぇっつ〜に!


まったくっ!俺の周りにましな思考の奴は………いねぇよな。そもそもロキが産まれてきてごめんなさいというか何と言うか、悪罵を誉め言葉として喜んで受けとる奴だし。そういやオーディンのヤローは戦争狂だし、他の奴らも血の気だけは多かったしなぁ………。
仕方ねぇ。外面だけは済まなそうに見えるようにしとこ。………うっわ、マジでロキの奴にだきゃぜってぇ見られたくねぇっ!





結局、その後は泣きやんだレイが無事に散歩を終らした。………泣き疲れてすぐ寝たがな。



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